グァテマラ アンティグア

暑さが残る9月、甘味たっぷりで、飲み終えた後の赤ワインのような心地よい渋みと深い味わいの完熟イエローブルボンをお楽しみください!

イエローブルボンは、糖度がレッドブルボンよりも高いといわれていますが、その色見での完熟度合いの判別がとても難しく、熟練の腕を必要とします。エスメラルダ農園では、スタッフへの収穫トレーニングを常に行っており、新しくピッカーとして働いてくださる従業員の方も品質へのこだわりを持って働いています。加工は、伝統的な水洗式で天日乾燥によってドライパーチメントまで仕上げます。欠点除去は機械選別ではなく、熟練の女性スタッフによって行われます。

シェードツリーを十分に使用しながら、結実しすぎないようにコーヒーの木を管理しています。結実が多すぎると、代謝が遅くなり、土壌の栄養不足が起こりやすいためだそうです。また、丁寧に一本一本剪定を行うことによって、木々の間の風通しをよくし、病虫害対策、ひいては収穫量増加につながっています。熟練のコーヒー栽培技術がふんだんに詰まったコーヒーです。

農園自体は14haととても小さいですが、香りや甘みが良いと考える農園主は、あくまでもイエローブルボン100%にこだわり、品質の重視した農園経営をしています。

今回はあ深めのローストでお届けした。甘みたっぷりのまったりとしたコクを楽しんでいただけると思います。

定番の『グァテマラ ピューマ』との飲み比べも是非!

 

バンロンラン~ラオス~

ラオス北部ルアンパバーン市街から1時間半ほど車で走ったところにある、ロンラン村。そこには、約70世帯のモン族の人たちが暮らしています。彼らは、豊かな森を守りながらコーヒーを育て、木々の陰でゆっくり熟した赤い実だけを一つ一つ丁寧に手摘みで収穫しています。

現地パートナーのSaffron coffeeは、ルアンパバーンの旧市街にある小さなカフェ。コーヒーチェリーの集荷と精製、輸出手続きを担っています。

代表のトッドさんが、ラオスの美しい自然と文化に惚れ込みアメリカからラオスに移り住んで10数年。英語で会話していたのに、熱がこもるとラオス語に切り替わるくらい、すっかりラオスに馴染んでいるそうです。

現地スタッフのみなさんとトッドさんは、徹底的にクリーンカップを追求してこられました。今季からは、発酵方法を15種類試すなど、ロン村のコーヒーの個性をどう引き出すかに取り組んでいます。

スッキリした飲み口ですが、ナッツのような甘さを醸す珈琲をこの夏お楽しみください。

アガワル~タンザニア~

農園は自然保護区に指定されているンゴロンゴロ国立公園付近にあります。1920 年代にドイツ人移民によりコーヒーが栽培され、第二次世界大戦後には英国主導による農地統合が行われました。

インド軍の退役軍人テレンス・コナー大佐によりコンゴニ農園と名付けられて以降、代々コーヒーの栽培が引き継がれ、1960 年代後半に現在の農園主であるアガワル家に継承されています。

海外からの評価も高く、国内随一とされる肥沃なンゴロンゴロ・クレーター付近の土壌と高い標高、そして伝統品種Kent が生み出す伝統的なタンザニア・マイルドコーヒーです。

コンゴニ農園では、品質向上のために香味に影響を与える精選の工程を丁寧にこなしています。例えば、コーヒー収穫後の処理をできるだけ早く行ったり、乾燥中にパーチメントの温度が上がりすぎないようにカバーをしたり・・・・と、丁寧に段階を踏んでいます。

アップルやグレープなどフルーティな風味と甘い余韻はありつつ、マイルドなボディ感で、軽やかな味わいです。酷暑の夏にピッタリの飲み口かもしれません。お試しください!

ペルー サントス~マイクロロット~

エクアドル国境近くのペルー最北部、アンデス山脈の高地でサントス・トクト・クニアさんとその家族が栽培するコーヒー豆です。

サントスさんが所有する自然豊かな山肌の一角に、コーヒーを植え始めたのは1996年から。

標高が高く、雨季の日照時間が短いため、コーヒーノキに十分な日光が当たるように適度に間伐を行うだけでなく、雨季前にはシェードツリー(直射日光から守る日陰をつくる樹木)の選定も行います。山の斜面にコーヒーが栽培されているため、土壌流出を防ぐためにマルチングや、等高線状にシェードツリーとコーヒーノキを植えるなどの工夫をしています。

手間と暇をかけるということが、通常の仕事として根付いているサントス一家のコーヒーは豆の美しさもさることながら、やさしい味わいです。そして、冷めても美味しい!焙煎はあえて浅めに(シナモンとミディアムの間位)でお届けします。

サントスさんが所属するアプロカシ農協では、コーヒー栽培に関わる女性の社会参加や、コーヒー以外の収入源の創出を目的に、NGO Rikilto Vecoと共同で2019年から養蜂を始めました。養蜂はコーヒーの品質向上に直接的な影響があるわけではありませんが、ミツバチは「環境指標生物」と呼ばれることがあるほど、周辺の環境変化に敏感な生き物です。この活動は単に副収入を得るためだけではなく、継続することで自然豊かなコーヒー農園の環境保全にもつながっていきます。

クリンチマウンテン~インドネシア~

数あるマンデリンの産地のなかで、新しい試みに挑戦する生産組合からの珈琲豆をご案内します。

スマトラ島のインドネシア最高峰の山クリンチマウンテン(標高3000m超)その山すそ1600m前後の高地で、460世帯の農家さんが栽培する珈琲豆です。

生産組合としてはとても新しい組合ですが、小さな農家をまとめる若き代表スルノヨさんが、この地域のコーヒーとして出荷できる豆を作りたいと設立したそうです。

品質管理を徹底的に行うことももちろんですが、樹間を通常より広く取り、シェードツリーにはシナモンや豆科植物などを植えて栽培管理も徹底しています。山からの湧き水は主食のコメの栽培に、また生活用水として利用しています。自然と共に育まれた一味違うマンデリンに仕上がっています。

定番の銘柄「マンデリンG-1」「マンデリントバコ」との飲み比べも是非!

トリマ スペシャル~コロンビア~

古くからFARC(ゲリラ集団)誕生の地として、治安の悪い状況が続いていたコロンビア中部のトリマ県。そこは、産地に深く入っていくことができずスペシャルティコーヒーの産地としては南部のウィラや北部のサンタンデールに遅れをとり、未開の地とされてきました。しかしながら2016年の和平合意後は、荒廃した土地をコーヒー栽培用地として積極的に開墾が進められています。現在では新しい産地として、コロンビアのコーヒーバイヤーたちからも注目を集めています。

生産者のAsuprasar農協は農業が環境に負荷をかけるのではなく、その地の生態系の一部となり実働していくことを理念に掲げ、その理念に賛同する94の加盟農園から成り立っています。肥沃な土地でアグロエコロジー(地球環境にやさしい農業)を実践しています。そうしてゆくことで生態系の保護と生産者の社会生活水準の向上を同時に実現しています。この農協では加盟農園の2割ほどが女性オーナーであることも、大きな特徴です。

トリマ県の土地が生み出す複雑な甘み、香り、旨味がワインのテロワールのように醸し出されています。

マンデリンやアフリカ系のフルボディな深煎りもいいですが、良質なコロンビアでしか味わえない、バランスのとれた軽やかな味わいは、飲み疲れしないコーヒーとしてお楽しみください。

ラス ノベス~エルサルバドル~

中米で一番小さな国エルサルバドルは、四国くらいの大きさですが、20を超える火山があり、ミネラル分豊富な火山性土壌で珈琲栽培に適した環境です。

コーヒーの花

国も経済を支える大きな輸出品のひとつとしており、国花は「コーヒーの花」

生産者のエドアルド・アルベレスさん

同国の豆のランク付けは、より高い標高で栽培された方が高くなります。今回ご案内のラス ノベス農園は標高1400~1500mにあり、最高級ランクSHG(1200m以上)です。

しかも収穫期間中で最も熟度が高まるタイミングのチェリーだけを水洗式で精製した豆です。そんな希少な珈琲豆の風味を味わってみてください!

モカ ハラズ~イエメン~

中東で唯一のコーヒー生産国イエメンからの珈琲をご案内します。

15世紀後半、エチオピアからコーヒーが初めて移植された国がイエメンです。アラビア半島の最南端に位置するイエメンは、世界で初めてコーヒー豆を商業目的で輸出した国でもあります。

その港が「モカ港」です。港からは多くのイエメン産とエチオピア産の良質なコーヒー豆が、主にヨーロッパに向けて輸出されました。そのことから、イエメン産とエチオピア産の珈琲豆は、総称して「モカ」と呼ばれるようになったそうです。

とってもザックリした命名ですね。近年では生産地名が付与され「モカ マタリ」「モカ シダモ」「モカ ハラー」、先月の“お薦め豆”でご案内した「モカ イルガチェフェ」など、生産地毎のそれぞれの豆の風味の違いを楽しめるようになりました。

前置きがなくなりましたが、今月の『モカ ハラズ』はイエメン北西の高地に位置し、標高は最高2400mと高く、寒冷なハラズ地区で栽培されています。ナチュラル製法で仕上げられていますが、とても明るい酸味を感じていただける珈琲です。何といっても挽いているときの香りが秀逸です。

ご存じの方も多いかもしれませんが、エチオピアとイエメンの珈琲豆は両国ともに内戦などの影響から、輸出が不安定な状況が昨年から続いています。年明けには明るい兆しが見えるかと思っていましたが・・・・生豆の在庫は確保していますが、今後の輸入の見通しが不透明です。

その上、温暖化の影響でコーヒーの野生種の6割が絶滅の危機にあると、IUCN(国際自然保護連合)から数年前に報告がでています。野生種は病気や害虫、気候変動に対応できる新種を開発するうえで必要です。そして、エチオピアには野生種の7割があるといわれていますが、その多くが消えてしまいそうなのです。これはモカが飲めなくなるだけではない危機です。

文末が暗い話になってしまいましたが、美味しい珈琲を飲み続けるためにもお題目ではなく、一人一人の生活のなかでSDGsを実践することが急がれます。珈琲を飲みながら、何ができるのかじっくり考えたいです。

イルガチェフェ~ウオッシュド&ナチュラル

水洗式

2022年は珈琲豆発祥の地から始まります。まずはエチオピアのイルガチェフェを精製方法の違いで飲み比べてみてください。

乾燥式

ナチュラルウオッシュド”の2種類をご案内!

国土の中央に広がるアビシニア高原に、コーヒーの樹が古くから自生し、世界各地に伝搬されたことからエチオピアが珈琲の発祥の地と言われています。

ご案内するイルガチェフェは代表的な在来種のひとつ。今回は精製(収穫したコーヒーチェリーから種であるコーヒー豆を取り出して乾燥させるまでの工程)の違いによる、風味の違いをお楽しみください。

ウォッシュド=水洗式:果肉除去⇒発酵⇒水洗⇒乾燥⇒脱穀⇒選別

ナチュラル=乾燥式:乾燥⇒脱穀⇒選別(シンプルですが天候や技術に左右される工程です)

クリーンな味わいが特徴の水洗式と、フルーティさが特徴の乾燥式。焙煎レベルは同じでご提供したいと思っています。さて、あなたのお好みは?

ハワイ カウ

2021年最後の”今月の豆”はハワイの名品『ハワイ カウ』をご案内します。

ハワイ島東部、かつてはサトウキビ畑が広がっていたエリアのカウ地区で栽培されている豆です。

ハワイ島の珈琲と言えば「コナ」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、『ハワイ カウ』は今その品質の高さから、世界から注目を集めています。もともとはコナ地区から植樹されましたが、土壌や気候風土の違いから、その風味は「コナコーヒー」とは一線を画す豆に成長しました。

酸味が穏やかで、甘味が際立つ、それでいてクリアな飲み口。ファンが増えていますが、コナコーヒー以上に栽培エリアが大変限られているため希少な珈琲としてプレミアがついています。

数年前から師走の豆としてご案内をしていましたが、ここ数年は入手ができず、今年は何とか少量ですが入手できました。

生豆がなくなり次第終了となります。尚、入手量も少なく、希少な豆の為一割増量はご容赦いただきますが、50g単位での販売とさせていただきます。