メキシコ チアパス

メキシコ南東部に位置するチアパス州は、古代文明が栄えた地としても知られるエリア。多様な民族と豊かな自然が育んだ豆は、ほのかな甘みが後口に残る軽~い飲み口が持味。

グァテマラとの国境近くのチアパスからのJAS認証のオーガニックコーヒーを生産するのは、サンフェルナンド生産協同組合に加盟する32の共同体の農家さん達1000人ほどです。

画像を見ると森の中にコーヒーの実がなっているという感じ!野生動物や野鳥などの生息地でもあり森の循環の中で育まれたコーヒーです。

今回、持ち味を活かすために、あえて中煎より浅目のシナモンに近い焙煎にしています。でも、いやな酸味は感じません!アーモンドのような甘い後味と軽~い飲み口が、モワッとした梅雨空には良さそうです。いつもより低目の湯温でサラッと淹れてください!

 

アンデス マウンテン~エクアドル~

随分以前に“お薦め豆”でご案内し、定番銘柄に「昇格」した豆ですが、良質の生豆が入手困難になりお休みしていました。久々に納得の生豆が入手できましたので改めての案内です。

生産国は赤道直下の国エクアドル。オーガニックコーヒー豆(JAS認定)です。

豆面の美しさと優しい甘い香りからは想像できないしっかりしたコク、後口にアーモンドフレーバーが広がります。

産地はアンデスの山岳地帯を含む標高500~2000mの高地で、無農薬で栽培した完熟豆を水洗処理し、天日乾燥します。水分12%まで乾燥した豆は豆質が柔らかく焙煎上りが美しい豆に仕上がっています。

ペラルタ~ニカラグア~

中米ニカラグアの豆を久々にご案内します。エチオピアの在来種が起源のJAVA種を育てる農園からのスペシャルティはレモンやアップルのような甘いフレーバーをお楽しみいただけると思います。有機JAS認証の豆です。

ペラルタ農園は20世紀初頭にコーヒー栽培を始めたそうです。農園では様々な品種を区画ごとに植え、それぞれの品種の良さを最大限に引き出すための精製方法の工夫にも取り組んでいます。

今回ご案内のJAVA種は持味のクリーンさを楽しんでもらいたいと、水洗式で仕上げた豆です。ちなみに湧水が多く点在する自然豊かな農園ではその水源を利用して水力発電をおこなって、農園全体の電気を賄っているそうです。

とは言え、水洗工場では使用する水を最小限に抑えることができる果肉除去機を使っています。そんなこだわりとエコの精神の農園からの豆です。

 

 

コルブラン~パプアニューギニア~

パプアニューギニアは南太平洋のニューギニア島の東半分が国土です。西半分はマンデリンの産地で知られるインドネシアです。

自然と人間が共生する「地球最後の楽園」とも言われているニューギニアは、コーヒー栽培の条件が揃っている国でもあります。

国土の多くが山岳地帯で標高が高く、豊富な降水量と水はけのよい火山灰の土壌。しかも直射日光が苦手なアラビアカ種にとっては熱帯雨林が光を遮り、コーヒーをゆっくり、ゆっくり生育させてくれます。

そんな恵まれた地に1962年にオーストラリアから移住したベン・コルブラン氏が、 バイロダ農園の土地を買付け、コーヒーの苗を栽培したのが農園の始まりだそうです。現在は、ベンの 孫であるニコールがコーヒー生産を引き継ぎ、最高品質のアラビカコーヒーを生産しています。

農園は標高が1,800m以上と高所にあり、外気温度がとても低いため発酵に時間がかかります。その時間およそ40時間。そのゆっくりした発酵が、このコルブラン農園の味を更に美味しく、ジューシーに仕上げてくれているようです。

発酵が長ければ良いというわけではありませんが、気温が低くなると乳酸菌類の活動が活発になり、その代謝による香味特徴が出てきているのでは?と感じさせる香味です。

大事にゆっくり育てられた珈琲は、フルーティな酸味とビスケットのような香ばしさを感じて頂ける珈琲です。

 

ドルチェ チョコラーダ~ブラジル~

ヴァレンタインに合わせて、ダークチョコレート感が楽しめる珈琲をご用意しました!

ブラジルといえば香ばしいナッツと、後口に醸すダークチョコ感が持味です。それにとことんこだわって“つくった”豆です。

産地を指定するのではなく、ダークチョコの印象を強くするために、南ミナス、セラード、モジアナで栽培されたコーヒーのロット、何と数百種類をブラジルのコーヒー鑑定士が鑑定・厳選し、ブレンドしています。

もう一つの特徴が、完熟したチェリーを収穫するのではなく、完熟から少し乾燥したぐらいのコーヒを使用しています。

これまでご案内したシングルオリジン、スペシャルティとは異なる生育で生まれた珈琲の味わいをお確かめください!くれぐれもチョコレートを召し上がる前に味わってください!

 

ゲシャ ビレッジ~エチオピア~

パナマのエスメラルダ農園の「ゲイシャ」をご存じの方はかなりの珈琲通!

「ゲイシャ」はもともと、エチオピア起源の野生種です。

1月はコーヒー発祥の国チオピア、そして原種ゲイシャ発祥の村”ゲシャ ビレッジ”からの珈琲豆をご案内します。

栽培が難しく、生産性も悪い品種(手のかかる割に収穫量が少ない!)。生産者にとっては敬遠されてきたようです。その美味しさを発見し世に送り出し、スペシャルティコーヒー最高峰と賞賛される特別な珈琲に育てたのがパナマの農園でしたが、元々はエチオピアのゲシャ ビレッジが発祥です。

ゲシャ ビレッジ農園はエチオピアの西の果てにある大自然の中にある農園です。米国生まれのアダム氏とエチオピア生まれの夫人は農園を2011年から開拓し、農園からほど近いゲイシャ種発祥の地で、先住民であるメアニット族と協力して、自然環境に配慮しながらコーヒーを育てています。

新年は原種のゲイシャの華やかな香りと、洗練された旨味をお楽しみください。ちなみに「ゲシャ」と「ゲイシャ」は訳し方の違いのようです。地名としては「ゲシャ」、品種としては「ゲイシャ」です。そして、「芸者」とは無関係!

 

モカ ハラズ~イエメン~

年内最後の“お薦め豆”は今年の一番人気の珈琲豆をご案内します。

今年入荷したクロップは前回よりも柑橘系の明るい酸味に、乳酸系の丸さと甘味が加わった印象です。

イエメンは中東で唯一のコーヒー生産国で、15世紀後半にエチオピアからコーヒーが初めて移植されました。そして、アラビア半島の最南端に位置するイエメンは、世界で初めてコーヒー豆を商業目的で輸出した国でもあります。

その港が「モカ港」です。港からは多くのイエメン産とエチオピア産の良質なコーヒー豆が、主にヨーロッパに向けて輸出されました。そのことから、イエメン産とエチオピア産の珈琲豆は、総称して「モカ」と呼ばれるようになったそうです。

ご案内の『モカ ハラズ』はイエメン北西の高地に位置し、標高は最高2400mと高く、寒冷なハラズ地区で栽培されています。ナチュラル製法で仕上げられていますが、とても明るい酸味を感じていただける珈琲です。何といっても挽いているときの香りが秀逸です。

12月、何かと気ぜわしい日々ですが、至福の一杯で一息ついてください。

ドンキー ナチュラル~ウガンダ

ウガンダはアフリカ東部の赤道上に位置する内陸国です。

生産地の標高が高く、集荷トラックが入れないためコーヒーチェリーはロバ(ドンキー)の背に揺られて山を下り、水洗工場まで運ばれています。

ウガンダはロブスタ種の生産量が多かったため、低品質のイメージが定着しているようですが、今回ご案内のドンキーはケニア由来の高品質アラビカ種。4000mを超える山々が連なる雄大な光景を背景に栽培されています。

品質向上のためにロブスタや近隣国のチェリーが混ざらないよう流通経路をしっかり整え、また完熟チェリーの熟度アップを心がけるなど様々な取り組みの結果、品質も生産量も向上してこれまではヨーロッパを中心に輸出されていましたが、日本向けにも輸出されるようになったそうです。

その味わいは?柑橘系の甘さが広がるクリーンな珈琲です。お試しください。

雲南 ナチュラル~天空農園から~

昨秋、話題沸騰した珈琲をこの秋もご案内します。

農園はメコン川源流の標高2000mに位置する、その名も「天空農園」です。

緯度的には香港やマカオと同じくらいの位置にあり、メコン川源流の山奥の秘境です。

台湾から移住した農園責任者のソウさんが、この地に適した精製方法を、70パターン以上も模索した末にたどりついた製法は、プーアール茶の製法を活かした“ダブルフォーメーション”という製法です。チェリーのまま袋に詰めて一次発酵させて、乾燥棚で乾燥させます。乾燥中に二次発酵が進み、ブランデーを思わせるフレーバーが引き出されす。

今年のクロップは昨年より発酵がしっかりしているようなので、魅惑的な香りは更に強くなっていると思います。

「天空の城」ならぬ「天空農園」からのかぐわしい香りをお楽しみください!

 

『9月の豆』キリマンジャロAA

雪を頂くキリマンジャロ山

暑い、暑い夏がようやく終わりそうです。

甘い香りとキレのいい後口で、重い気分を吹き飛ばしてリフレッシュしてください!

珈琲好きの方にとってはとてもポピュラーな銘柄ですが、酸っぱいイメージをお持ちの方も多く、敬遠される方と、これこそ珈琲と絶賛される方に分かれます。実は私は後者です。湯温と淹れ方の工夫で味わいがグッと変わります。そのあたりは店頭でゆっくりご案内します!

生産地はアフリカ大陸最大の国タンザニア。6000mを超える万年雪をいただくキリマンジャロ山。そのふもと海抜1000m以上の寒暖差が大きく、年間の降雨量も豊富なエリアで栽培されています。

小規模な生産者が多く、珈琲豆の品質のばらつきが大きいことから、豆の大きさや欠点豆の混入度合いなどで格付けは、最高ランク「AA」から「E」まで6段階で評価されます。Actのキリマンジャロはもちろん「AA」です。

9月は「キリマンジャロ」10%増量です。