イルガチェフェ~エチオピア~

コーヒー発祥の国とされるエチオピアで、最高級品質の豆を生産している地域として知られるイルガチェフェ 。とくに、今回ご案内のコーヒーが生産されるエリア アリーチャは水資源が豊富で、水洗工場も多く、高品質なイルガチェフェコーヒーを産出する地域のひとつとしても有名です。

通常では、高品質ウォッシュに使用される完熟チェリーをナチュラルでしあげています。

標高が高い上に、赤道直下のこの地域では、日照が強すぎるとチェリーやパーチメントにダメージを与えて、味に濁りが出てしまいます。そこで、日照の強い11~15時の時間帯は、チェリーをビニールシートで覆い急激な乾燥を防ぎます。

また、通常の乾燥日数が10日間のところ、20日間かけてゆっくり乾燥を進めることで、コーヒー内の水分を均一化させ、複雑でありながらクリーンな味わいを作り出しています。緩やかな乾燥は、劣化のスピードを抑えることができ、通年通して品質の高いコーヒーを維持することができるといいます。

イルガチェフェのナチュラルというにふさわしい、ベリー系のフレーバーをお楽しみください。 さらにフルーツ感、ジンジャーのようなスパイス感・・・複雑な香味をお楽しみください。

ドイパンコン~ハニー~ 

収穫直後のコーヒーチェリー

タイ産コーヒーの歴史は古く、1970年代初頭に、当時の国王ラーマ9世が、麻薬の原料となるケシ栽培に代わるものとしてコーヒーや果物の栽培を推奨したことに始まります。

タイ北部に位置するドイパンコンでは40年ほど前から栽培が始まりました。

このエリアはアカ族やムーサールマン族といった少数民族が暮らす場所で彼ら自身も土器で直火焙煎をし、スモーキーな味わい深い珈琲を飲む習慣があるそうです。

ミシュレージ(内皮)を残して乾燥中の豆

生産者の代表の青年はかつてイギリスに留学していた時、一度も本当に美味しいタイコーヒーに出逢えなかったそうです。だから自分がつくりたいと、スペシャルティコーヒーのマーケットに挑戦し、品質向上に取り組んでいます。

今回ご案内のドイパンコンの精製方法は「ハニー」です。ハニー製法は水を使わず果肉を取り除き、ミュシレージ(豆の周りの粘液)をあえて多めに残して乾燥させています。豆の甘みをより感じて頂ける珈琲に仕上がっています。

その甘みたっぷりの豆を優しい焙煎で仕上げ、優しい甘味や、丸く爽やかな酸味を楽しんで頂ければと思います。口当たりもシロップのような印象に仕上がっているはずですが・・・お試しください!

ラオス カトォアット~無農薬栽培~

かろやかな優しい苦みはこの時期にピッタリです。

11の村からなる農民による農民のための生産者協同組合、ジャイ・コーヒー生産者協同組合(JCFC)から届く豆です。生産地のカトゥアット村は、国際NGOのOxfamオーストラリアの支援を受け、高品質のコーヒー生産に取り組んできた意欲のある村です。ボラベン高原で暮らす彼らは森の恵みと共生し、肥沃な大地、豊かな森の中で丁寧にコーヒーを育てています。

アラビカ種の中で、ティピカ種は味が優れていますが、病害に弱く収量も多くはないため希少種と言えます。ラオスでの栽培もわずかですが、村人は原種に近く古くから親しまれているティピカの栽培を続けています。ラオスのティピカはラオス人を彷彿させるような柔らかい甘みと優しい味わいです。

有機の認証は受けていませんが、無農薬栽培です。

●生産地:ラオス南部ボーラヴェーン高原
●生産者:生産者協同組合JCFC
●加工方式:水洗加工方式
●品種:アラビカ種ティピカ

※JCFC…ジャイ・コーヒー生産者協同組合。”ジャイ”とはラオス語で”心”を意味します。

※オックスファム(Oxfam)…1942年にイギリスで設立されたNGO。現在は世界各地で活動の理念に共有する人びとがOxfamを立ち上げ、100カ国以上で緊急支援や開発の活動を続けています。Oxfamオーストラリアがカトゥアット村のコーヒー生産者を支援してきました。

メキシコ チアパス

メキシコ南東部に位置するチアパス州は、古代文明が栄えた地としても知られるエリア。多様な民族と豊かな自然が育んだ豆は、ほのかな甘みが後口に残る軽~い飲み口が持味。

グァテマラとの国境近くのチアパスからのJAS認証のオーガニックコーヒーを生産するのは、サンフェルナンド生産協同組合に加盟する32の共同体の農家さん達1000人ほどです。

画像を見ると森の中にコーヒーの実がなっているという感じ!野生動物や野鳥などの生息地でもあり森の循環の中で育まれたコーヒーです。

今回、持ち味を活かすために、あえて中煎より浅目のシナモンに近い焙煎にしています。でも、いやな酸味は感じません!アーモンドのような甘い後味と軽~い飲み口が、モワッとした梅雨空には良さそうです。いつもより低目の湯温でサラッと淹れてください!

 

アンデス マウンテン~エクアドル~

随分以前に“お薦め豆”でご案内し、定番銘柄に「昇格」した豆ですが、良質の生豆が入手困難になりお休みしていました。久々に納得の生豆が入手できましたので改めての案内です。

生産国は赤道直下の国エクアドル。オーガニックコーヒー豆(JAS認定)です。

豆面の美しさと優しい甘い香りからは想像できないしっかりしたコク、後口にアーモンドフレーバーが広がります。

産地はアンデスの山岳地帯を含む標高500~2000mの高地で、無農薬で栽培した完熟豆を水洗処理し、天日乾燥します。水分12%まで乾燥した豆は豆質が柔らかく焙煎上りが美しい豆に仕上がっています。

ペラルタ~ニカラグア~

中米ニカラグアの豆を久々にご案内します。エチオピアの在来種が起源のJAVA種を育てる農園からのスペシャルティはレモンやアップルのような甘いフレーバーをお楽しみいただけると思います。有機JAS認証の豆です。

ペラルタ農園は20世紀初頭にコーヒー栽培を始めたそうです。農園では様々な品種を区画ごとに植え、それぞれの品種の良さを最大限に引き出すための精製方法の工夫にも取り組んでいます。

今回ご案内のJAVA種は持味のクリーンさを楽しんでもらいたいと、水洗式で仕上げた豆です。ちなみに湧水が多く点在する自然豊かな農園ではその水源を利用して水力発電をおこなって、農園全体の電気を賄っているそうです。

とは言え、水洗工場では使用する水を最小限に抑えることができる果肉除去機を使っています。そんなこだわりとエコの精神の農園からの豆です。

 

 

コルブラン~パプアニューギニア~

パプアニューギニアは南太平洋のニューギニア島の東半分が国土です。西半分はマンデリンの産地で知られるインドネシアです。

自然と人間が共生する「地球最後の楽園」とも言われているニューギニアは、コーヒー栽培の条件が揃っている国でもあります。

国土の多くが山岳地帯で標高が高く、豊富な降水量と水はけのよい火山灰の土壌。しかも直射日光が苦手なアラビアカ種にとっては熱帯雨林が光を遮り、コーヒーをゆっくり、ゆっくり生育させてくれます。

そんな恵まれた地に1962年にオーストラリアから移住したベン・コルブラン氏が、 バイロダ農園の土地を買付け、コーヒーの苗を栽培したのが農園の始まりだそうです。現在は、ベンの 孫であるニコールがコーヒー生産を引き継ぎ、最高品質のアラビカコーヒーを生産しています。

農園は標高が1,800m以上と高所にあり、外気温度がとても低いため発酵に時間がかかります。その時間およそ40時間。そのゆっくりした発酵が、このコルブラン農園の味を更に美味しく、ジューシーに仕上げてくれているようです。

発酵が長ければ良いというわけではありませんが、気温が低くなると乳酸菌類の活動が活発になり、その代謝による香味特徴が出てきているのでは?と感じさせる香味です。

大事にゆっくり育てられた珈琲は、フルーティな酸味とビスケットのような香ばしさを感じて頂ける珈琲です。

 

ドルチェ チョコラーダ~ブラジル~

ヴァレンタインに合わせて、ダークチョコレート感が楽しめる珈琲をご用意しました!

ブラジルといえば香ばしいナッツと、後口に醸すダークチョコ感が持味です。それにとことんこだわって“つくった”豆です。

産地を指定するのではなく、ダークチョコの印象を強くするために、南ミナス、セラード、モジアナで栽培されたコーヒーのロット、何と数百種類をブラジルのコーヒー鑑定士が鑑定・厳選し、ブレンドしています。

もう一つの特徴が、完熟したチェリーを収穫するのではなく、完熟から少し乾燥したぐらいのコーヒを使用しています。

これまでご案内したシングルオリジン、スペシャルティとは異なる生育で生まれた珈琲の味わいをお確かめください!くれぐれもチョコレートを召し上がる前に味わってください!

 

ゲシャ ビレッジ~エチオピア~

パナマのエスメラルダ農園の「ゲイシャ」をご存じの方はかなりの珈琲通!

「ゲイシャ」はもともと、エチオピア起源の野生種です。

1月はコーヒー発祥の国チオピア、そして原種ゲイシャ発祥の村”ゲシャ ビレッジ”からの珈琲豆をご案内します。

栽培が難しく、生産性も悪い品種(手のかかる割に収穫量が少ない!)。生産者にとっては敬遠されてきたようです。その美味しさを発見し世に送り出し、スペシャルティコーヒー最高峰と賞賛される特別な珈琲に育てたのがパナマの農園でしたが、元々はエチオピアのゲシャ ビレッジが発祥です。

ゲシャ ビレッジ農園はエチオピアの西の果てにある大自然の中にある農園です。米国生まれのアダム氏とエチオピア生まれの夫人は農園を2011年から開拓し、農園からほど近いゲイシャ種発祥の地で、先住民であるメアニット族と協力して、自然環境に配慮しながらコーヒーを育てています。

新年は原種のゲイシャの華やかな香りと、洗練された旨味をお楽しみください。ちなみに「ゲシャ」と「ゲイシャ」は訳し方の違いのようです。地名としては「ゲシャ」、品種としては「ゲイシャ」です。そして、「芸者」とは無関係!

 

モカ ハラズ~イエメン~

年内最後の“お薦め豆”は今年の一番人気の珈琲豆をご案内します。

今年入荷したクロップは前回よりも柑橘系の明るい酸味に、乳酸系の丸さと甘味が加わった印象です。

イエメンは中東で唯一のコーヒー生産国で、15世紀後半にエチオピアからコーヒーが初めて移植されました。そして、アラビア半島の最南端に位置するイエメンは、世界で初めてコーヒー豆を商業目的で輸出した国でもあります。

その港が「モカ港」です。港からは多くのイエメン産とエチオピア産の良質なコーヒー豆が、主にヨーロッパに向けて輸出されました。そのことから、イエメン産とエチオピア産の珈琲豆は、総称して「モカ」と呼ばれるようになったそうです。

ご案内の『モカ ハラズ』はイエメン北西の高地に位置し、標高は最高2400mと高く、寒冷なハラズ地区で栽培されています。ナチュラル製法で仕上げられていますが、とても明るい酸味を感じていただける珈琲です。何といっても挽いているときの香りが秀逸です。

12月、何かと気ぜわしい日々ですが、至福の一杯で一息ついてください。