キアンデリ ~ケニア ムランガ~

Actではケニアと言えば「ケニア紅茶」ですが、7月はケニアの珈琲をご案内します。

馴染みの薄い方も多いケニアの珈琲ですが、その質の高さには定評があります。この機会に「酸っぱい」ではなく、華やかで明るい良質な`「酸」を味わってください。

アフリカ大陸で2番目に高いケニア山(5,000m級)の麓1,600~1,800mの高地にあるムランガ県からです。恵まれた栽培環境だけでなく、環境に配慮した精製にも力を入れています。

丁寧な収穫、選別の行程を経た完熟チェリーをウオッシュ精製する段階で使う水を無駄にしないよう、再循環させて複数回使用。

また使用した水を、時間をかけて土壌に還元させ、水源や土壌の汚染を防ぐ等、環境を壊さず美味しいコーヒーを生産する努力が続けられています。

この美味しさが長く続くことを願いながら、ぜひご賞味ください!

 

オルリッチ ~コスタリカ~

環境先進国コスタリカから、クッキーのような甘くて香ばしいフレーバーの珈琲をご案内します。

オルリッチを栽培するFJOサルチ農園は、コスタリカの第34代大統領が始めた農園です。1962年~1966年の期間中コスタリカのトップとして活躍していました。民衆からは「ドン・チコ」の名前で愛された大統領でした。

そんな彼は政治の道に入る以前、1928年にアラフエラ州サルチで小さなコーヒー農園をスタートさせたのがFJOサルチ農園のルーツです。農園ができた後は規模の拡大、加工場の設立を果たし、当時では国内最大のコーヒー会社として成長し、現在はOrlich氏の子孫が経営を担っています。

そんな農園からウオッシュほど水を使わずに精製する、ホワイトハニーという方法で加工されたコーヒーが届きました。

チェリーの皮や果肉は取り除きますが、ミューシレージ(豆の周囲のヌメヌメ部分)を少し残して乾燥工程に進みます。水洗式(ウオッシュ)に比べ水の量が抑えられる方法として広がっています。

ウオッシュより甘みのある香味があり、ナチュラルほどのクセはない味わいというのが妥当でしょうか? ハニープロセスにはミューシレージをどの程度残すか細分化されているようですが、ホワイトハニーはミューシレージを90%程度除去しています。乾燥度合いを確認しながらヌメヌメ部分がくっつかないように管理するだけでも大変です。手間と技術と経験がものをいう製法ですね。

メイチェディマイ~タイ~

タイ最北にある19世帯のメイチェディマイ地区の農家さんたちが育てたコーヒーです。その豆を独自のウオッシュ精製で仕上げています。タイのコーヒーのイメージがきっと変わります!?

生産地はタイの最北チェンライ県です。この周辺はかつてアヘン(麻薬)の原料でもあるケシの違法栽培が世界最大規模で行われていた地域でしたが、ロイヤルプロジェクト(国王ラーマ9世がケシ栽培を撲滅するために代替栽培を奨励)をきっかけにお茶や果物、コーヒーなどの栽培拠点に生まれ変わりました。

コーヒー豆の生産国の中には後継者不足に悩む国があるなか、この地では若い世代がコーヒー栽培に取り組んでいます。明るいやさしい酸味と、冷めてからのミルクチョコレートのような甘さが特徴の珈琲に仕上がっています。お試しください!

バラホナ~ドミニカ共和国~

カリブ海のドミニカ共和国から、カカオのような甘みを感じる珈琲が届きました。しかも!希少な「ティピカ種」の原種です。味わってみてください。

普段、私たちが飲んでいる(アラビカ種の)コーヒーのなかで最も歴史が古い品種が「ティピカ種」です。

ただ・・・この品種は病害虫に弱くハイブリッド種(異なる種を交配してつくる品種)への置き換えが急速に進んでいるため野生のままの「ティピカ種」は大変希少です。

『バラホナ』は野生種が残るエリアで栽培された豆です。

2022年から国家主導で植樹に取組み100万本以上のティピカ種の木が植えられる予定だそうです。雇用創出にもつながる壮大な計画が実を結ぶのはまだ先のようですが、まずはティピカ種を守り育てる山間部から届いた豆を飲みながら、かの地に想いを馳せてください。

 

リバン ガヨ ムサラ~インドネシア~

2022年にコーヒーの国際的な品評会COEで1位に輝いたリバン・ガヨ・ムサラ組合からの、フルーツフレーバーが弾けるナチュラルをご案内します。

生産者のアスマン アリアントさんはコーヒー栽培をスタートした1998年当初はスマトラ島で主流のスマトラ式という精製方法でコーヒーを栽培していました。降雨の多いこの地では難しいとされていたウオッシュドの精製方法に挑戦し、失敗を繰り返しながら高品質な水洗式のコーヒーを作り上げることに成功したそうです。

彼はその成功に満足せず、ハニーやナチュラルなどの精製にも取り組み、世界を驚かせるクオリティのコーヒーを作り続けています。今、彼は2018年に協同組合「リバン ガヨ ムサラ」を作り、彼の経験を多くの小農家さんに伝え高品質なコーヒーの発展に力を注いでいます。

そんな組合からの豆は白ワインを思わせる甘く爽やかな香りが楽しめるコーヒーです。インドネシアの豆はハイローストくらいで焙煎するのが常ですが、今回は余韻を残すために敢て少し浅めに焙煎しました。

ナチュラル(乾燥式):収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥

スマトラ式:乾燥を2回に分けて行うスマトラ独自の精製方法

ウオッシュド(水洗式):チェリーの皮・果肉・パーチメント(粘液質)を洗い流してから乾燥

 

 

ドルチェ チョコラーダ~ブラジル~

ヴァレンタインに合わせて、今年もダークチョコレート感が楽しめる珈琲をご用意しました!

ブラジルといえば香ばしいナッツと、後口に醸すダークチョコ感が持味ですが、それにとことんこだわって“つくった”豆です。

産地を指定するのではなく、ダークチョコの印象を強くするために、南ミナス、セラード、モジアナで栽培されたコーヒーのロット、何と数百種類をブラジルのコーヒー鑑定士が鑑定・厳選してブレンドしたコーヒーです。

もう一つの特徴が、完熟したチェリーを収穫するのではなく、完熟から少し乾燥したぐらいのコーヒを使用しています。

これまでご案内したシングルオリジンや、スペシャルティとは異なる生育で生まれたコーヒーの味わいをお確かめください!チョコレートを召し上がる前に香りと後味をまずはお楽しみください!

 

グジ シャキッソ~エチオピア~

新しい年の始まりはやっぱりエチオピアから!コーヒー発祥の地、エチオピア首都から南方400Kmほどにあるグジにあるシャキッソ村からのJAS認証のコーヒーをお届けします。

シャキッソ村のコーヒー誕生の歴史は語るには長すぎますが、村を襲った山火事から始まります。プロデューサーのTesfaye氏が、村の山火事の鎮火後に、残ったごく僅かな森林と広大な土地を5ヘクタールを購入。残った森林を保護と再生を願い、自身でコーヒーとシェードツリーを播種・栽培し、有機栽培でのコーヒー生産を始めました。

2006年に最初の収穫を迎えて以降、村の小規模農家さん達を巻き込みながらその規模を拡大していきます。5haが今や100倍の521ha!

Tesfaye氏は幼い頃、自宅から58kmも離れた学校に通っていた経験があり、コーヒーの売上の一部を拠出し、シャキッソ村に小学校を建設・寄贈しました。。村に教育の場があり、農園という労働の場があることで、愛着のある生まれ育った村から離れなくても生活できる、もしくは進学の為に一度村から離れることになっても、村に変えれば学んだことが役立つ環境がある。そんな安心感を子供たちに与えられるように努力し、地域ぐるみで持続可能なコーヒー栽培を目指しています。

現在、寄贈した学校では約1400人の子供達が通うマンモス校となり、地域の大人に見守られながら勉学に励んでいるそうです。

まさにSDGsの先駆けのようなエリアからのコーヒーです!オレンジのようなフレーバーと甘さを感じるモカらしい飲み口です。かの地に想いを馳せながら2024年をスタートしてください!

ラス ノベス~エルサルバドル~

年内最後の“お薦め豆”は何人かのお客さまからリクエストを頂いていたエルサルバドルの珈琲をご案内します。中米で一番小さな国エルサルバドルは、四国くらいの大きさですが、20を超える火山があり、ミネラル分豊富な火山性土壌で珈琲栽培に適した環境です。

コーヒーの花

国も経済を支える大きな輸出品のひとつとしており、国花は「コーヒーの花」です。

生産者のエドアルド・アルベレスさん

同国の豆のランク付けは、より高い標高で栽培された方が高ランクになります。今回ご案内のラス ノベス農園は標高1400~1500mにあり、最高級ランクSHG(1200m以上)です。

しかも収穫期間中で最も熟度が高まるタイミングのチェリーだけを水洗式で精製した豆です。フローラルでジューシーな味わいのマイクロロットです。師走にそんな希少な珈琲豆の風味を味わいながらホッと一息ついてください。

ジーニアス・ハニー~東洋のパナマから

アメリカでは東洋のパナマと称されるほど注目されているミャンマーからの豆が再入荷しました。

しばらく欠品中だったので、11月に改めてご案内します。

今年は生産者さんの乾燥技術や精製技術の向上が目覚ましく、甘さやフレーバーがさらに良くなったように思います。同じ銘柄を飲み続けると、その年の気候や生産者さんの技術で風味は左右されるということを実感します。

ジーニアスは小規模農家が農薬も化学肥料も使わず栽培し、完熟豆を手摘み。精製も甘いフレーバーを引き立せる一番手間がかかるハニープロセスで仕上げています。初めて口にした時、アジアの豆の印象が変わりました。是非お試しください。

「ハニープロセス」とは、コーヒーの果肉から種をとりだした後、種のまわりについている甘い膜(ミュシレージ)を、あえて洗い落とさずに乾燥させて精製する方法です。

乾燥中にまわりの糖分により発酵がすすみ、甘いフレーバーがひき立ちやすいことから、こう呼ばれます。

大変遅くなりましたが2023年のNewクロップのご案内です!

パナマ ボケテ~バホモノ農園~

スペシャルティコーヒーの生産地として知られるボケテ地区は、バレー火山の東側の渓谷にあります。火山性土壌、カリブ海と太平洋に挟まれ、海からの水蒸気が多く流れ込む影響で雨が多く、冷涼な気候が維持されます。

コーヒーのシェードツリーとなる木も豊かでトロピカルフルーツなどの木々でつくられる影のもと、コーヒーはゆっくり、ゆっくり育ちます。

バホモノ農園ではコーヒーを水洗し、天日乾燥した後、更に機械乾燥をおこない、最後に60日間寝かせる工程を加えています。この工程によりコーヒーの甘みが増すといわれており、酸味と甘みのバランスのとれたコーヒーに仕上がっていきます。

バホモノ農園は比較的新しい農園ですが、地勢にも恵まれ丁寧な乾燥の工程でシュガー系の甘さとナッツ感を味わって頂けるクリーンな豆を生産しています。

酷暑で疲れた体に優しい風味が沁みわたると思います!