エチオピア ゲレナアバヤ

画像は森の中?と言う感じですが、エチオピアのコーヒーの木です。

長い枝が上から垂れてアーチ状になっています。収穫する時は、枝を下に降ろしながら一粒一粒収穫します。中南米のようにまとまって結実する品種ではないため、労力と時間がかかる大変な作業です。

今月ご案内のお薦め豆は珈琲の発祥の地エチオピアから。エチオピア南西部に位置するジマ地方のスパイシーな香りがするスペシャルティコーヒーです。

ジマ地方には現在でも多くの品種が自生していると言われていて、珈琲豆の遺伝資源の宝庫となっています。

銘柄の「ゲレナアバヤ」は栽培地の地名ですが、この地の小規模農家が栽培する豆は、処理段階の節目節目での欠点豆の除去や、乾燥に倍以上のに日数をかけるなど、徹底した生産管理をおこなうことで、豆本来の魅力を余すことなく引き出しています。

アフリカでは生姜を浮かべて飲む「ジンジャーコーヒー」が好まれていると聞いていますが、この珈琲豆は何故か「ジンジャーコーヒー」そのものです!是非、お試しください。

 

マンデリン リントン~インドネシア~

インドネシアは(緑色)大小の島々から成り立っています。左の大きな島がスマトラ島 です。 島の北側がアチェ州で内陸部にトバ湖があります

『マンデリン』の歴史は古く、インドネシアに珈琲豆が伝わった17世紀のこと。インド経由でアラビカ種がジャワ島に植樹されました。

その後、オランダに大きな富をもたらしましたが、20世紀初めコーヒー栽培にとって大敵とされる「さび病」が大流行し、アラビカ種がほとんど途絶えてしまいました。

以降は病気に強い品種ロブスタ種(主にインスタントコーヒーなどの原料)へ栽培が移行してしまいました。

トバ湖

ただ、わずかにアラビカ種が生き残ったのがスマトラ島北部の高地でした。同地に住むマンデリン族が中心となって栽培した豆が『マンデリン』です。

今回ご案内の『マンデリン リントン』はスマトラ島北部のリントン・ニ・フタ地区で栽培されたスペシャルティ豆です。ちなみに『マンデリン トバコ』は島にある一番大きな湖、“トバ湖”の周辺で栽培されたスペシャルティ豆です。また定番の『マンデリン』はスマトラ島北部のアチェ州全域で栽培された豆のなかでグーレードがNo.1の豆です。

ルーツは同じでも、その味わいの違いはなかなか興味深いものがあります。是非、この機会に飲み比べをしてみてください!

 

アンデスマウンテン~エクアドル~

3年ほど前、お薦め豆でご案内し、好評いただいた珈琲豆です。久々に生豆が入手できました。改めての案内です。

生産国は赤道直下の国エクアドル。オーガニックコーヒー豆(JAS認定)です。

豆面の美しさと優しい甘い香りからは想像できないしっかりしたコク、後口にアーモンドフレーバーが広がります。

産地はアンデスの山岳地帯を含む標高500~2000mの高地で、無農薬で栽培した完熟豆を水洗処理し、天日乾燥します。水分12%まで乾燥した豆は豆質が柔らかく焙煎上りが美しい豆に仕上がっています。

コスタリカ シンリミテス

中米コスタリカのコーヒー栽培は小規模な農園がほとんどですが、生産者はプライドをもって生産に取り組んでいます。なかでも西部に位置するウエストバレー地域は高品質なコーヒー豆の生産エリアとして注目されています。

コスタリカでも周辺国と同じように従来は、収穫したチェリーの加工を農協や業者に搬入し、様々な農園のチェリーを生豆に加工するという分業制が主体でした。この場合、各農家のコーヒー豆の特徴は失われてしまいます。

2000年頃から、先進的な農家では小規模ながらも、自ら設備(水洗処理・乾燥など)を整え、品質の高い珈琲を生産する動き=マイクロミルのコーヒーが誕生し注目されています。今やその数は200近いと言われています。(日本でも農協を通さず消費者に農家が直接販売するブランド米が増えていますがそれと似ていますね)

生産者のプライドを賭けた豆と言えます。そんななかで、カルデナス氏のシンリミテス農園はマイクロミルの中でも五指に入るスペシャルティコーヒーです!

ちなみに“シンリミテス”は“無限”と言う意味だそうですが、オレンジのような香りと、コクのある甘味をもつコスタリカコーヒーの無限の可能性を感じていただければと思います。

 

ボリビア カストロ

ボリビアではアルティプラーノと呼ばれる、ラパス近郊の高原地帯がスペイン人入植者によって開拓されました。そこは金、銀、すずなどの鉱山資源は豊富にありましたが、4000mに近い冷涼で過酷な環境は農業には適しませんでした。そこでアルティプラーノの住民たちは、肥沃で気温も穏やかで過ごしやすいユンガス地域に「降りて」きました。
先にコーヒー生産が栄えたのはラパスに近い場所でしたが、よりコーヒーに適したコロイコやカラナビに産業が移り、カラナビはボリビアコーヒーの首都と呼ばれるようになり、コーヒーの一大集散地となりました。

カストロ氏もこのアルティプラーノに暮らしていた1人です。コーヒー生産の為に、この地に家族親戚で移り住んだのが15年前。家族・兄弟でこの地を耕し、2008年COE(カップ・オブ・エクセレンス)では兄弟のペドロ・カストロ氏がCOE2位の栄冠に輝いた事が今でも一族の誇りです。

カストロ氏もナショナルウィナーに選出経験があり、この地で生まれた4人の子供たちと奥さんと共に高品質なコーヒー生産を目指し、スペシャルティコーヒーの生産に従事している数少ない生産者です。

オレンジを思わせるフレーバーとチョコレートのような甘さを感じていただけるクオリティの高い豆に仕上がっています。味わってみてください。

グァテマラ レゼルバ

グアテマラはご要望が絶えない豆ですが、これまで数々の農園・産地からご案内していますが、なかなか定番化が図れない豆です。今回の“レゼルバ”の評価はいかに!皆様よろしくお願いします。

グアテマラには8つの産地がありますが、生産地はグアテマラ市から最も離れたメキシコ国境に位置します。岩肌がところどころみられる非常に険しい、標高の高い産地です。

冬の収穫時期の朝には、霜がみられることがあるほどです。ただ、メキシコからの乾燥した熱風がこの地域には吹き込み、それがコーヒー生産を可能にしています。

この地域では、過去カップオブエクセレンス品評会で多くの入賞農園を生み出してきました。

とても甘く、グレープのような風味をご賞味ください。

パナマ レリダ

パナマ文書ですっかり有名になった中米パナマですが、珈琲豆も個性と品質で最近特に注目度が高まっています。

農園は隣国コスタリカ国境近くの標高1600m以上の高地にあり、生育環境にも恵まれていますが、小規模な農園だからこそできる丁寧な栽培でパナマの甘さに加え、柑橘系の酸を感じる個性的な珈琲豆に仕上がっています。

生産量が大変限られているため、ご案内中に生豆が完売しました時はご容赦下さい。

 

コロンビア ロスイドロス 

コロンビアは世界3位の生産国ですが、高品質な珈琲豆生産国かと言うと、世界的な評価は高くないのが現状です。

そんな中でウィラ県のロスイドロス生産組合は生産処理工程の標準化などにも取り組み、安定的に高品質な珈琲を生産する組合として評価されています。

10数年前の「コーヒー危機」の際はコカなどの不法な作物を栽培し、収入を得ていた生産者もいましたが、この組合では2002年以来、不法作物を全て除去し、高品質コーヒーの生産に取り組み始めました。

その成果は徐々に実を結び、2006年には組合としてフェアートレードの認証を得ました。そんな背景のある珈琲豆のシルキーな舌触りとマイルドな飲み口をお楽しみください!

ペドラレドンダ ブラジル

2017年最初にご案内するのは、ブラジルの山岳地帯の、無農薬で栽培された珈琲豆です。

ブラジル南東部の標高1000mに位置する肥沃な地で手摘み・天日乾燥で、昔ながらの栽培をおこなっている農園です。その一方で、生産処理・品質管理を農園内で一貫しておこない品質の向上にも継続的に取り組んでいます。

癖がなく初心者の方でも飲みやすい優しい珈琲です。ほのかに感じるミルクチョコレートのような甘さをお楽しみください!珈琲事始めにお試しください。

 

 

エルサルバドル パルマ

火山が多く「火の国」と称されるエルサルバドルは、西はグアテマラ、北と東はホンジュラス、南は太平洋に接する中米で最も小さな国です。面積は九州の半分ほどの大きさ。

コーヒーの栽培はは1858年に始まり、生産量はエルサルバドルの農業生産の3分の1を占めていると言われています。輸出の2分の1はコーヒーが占め、就労人口の4分の1がコーヒーの生産に関わっているそうです。

1956年には国立農政省コーヒー研究所が設立され品種改良や生産技術の研究が進み、農家への技術指導や産業復興に国をあげて力を入れています。

%e3%82%a8%e3%83%ab%e3%82%b5%e3%83%ab%e3%83%90%e3%83%89%e3%83%ab12月はそんな小さな珈琲大国の豆をご案内します。生産地はホンジュラスとの国境沿いにあるパルマ地区。標高が高く、交通の便も悪く秘境の地と呼ばれていますが、それ故にに独自の風味が守られ高品質の産地としてカップオブエクセレンス上位の常連地区となっています。秘境の地の凝縮した甘味とキャラメルのような滑らかなコクをお楽しみください。