タンザニア イエンガ

アフリカンベッドで天日乾燥中の珈琲豆。水分が11~12%になるまで撹拌しながら乾燥させます。

タンザニアでの珈琲豆の生産は、他のアフリカ諸国同様にほとんどが小規模農家(0.5ha~3ha)によるものです。これまでは農家毎に手回しのミルで、外皮の除去処理をおこない、自宅の庭で乾燥処理をしていました。従って、品質のバラツキが大きく、それらが集荷場でブレンドされていたので、品質の安定性も乏しいものになりがちでした。

最近は品質志向が高まりスペシャルティコーヒーとして台頭する豆も増えてきています。その背景には小さな農家が協同組合をつくり、収穫したチェリーを組合に持ち込み、熟度を選別した上で、コーヒーチェリーを珈琲豆にする一連の作業を格付け別におこなえるようになったことが大きく影響しています。

イエンガ農業協同組合のメンバーたち

組合での一貫作業によって、品質の向上と安定がもたらされています。

イエンガ農業協同組合はタンザニア南部に位置し、北と南にある湖によって水源に恵まれた環境で、コーヒー栽培と珈琲豆の生産をおこなっています。2003年に64名でスタートした組合は。現在193名の農家が加盟し、品質の向上に努めています。

タンザニアの珈琲はキリマンジャロで総称されますが、今回ご案内のイエンガは、クリアな酸味というよりも甘味がしっかり感じられるバランスのいい飲み口です。是非お試しください。

ロハス アイスブレンド

img100628.dg.01.480.720[1]南米のブラジル・アフリカのエチオピア・中米エクアドルの“ロハス”な珈琲豆をブレンドし、フレンチローストより少し深めに仕上げました。後口の深い旨味をお楽しみください!

勿論、ホットで飲んでいただいてもご満足いただけると思います。アイスカフェオーレなどにもどうぞ!

“ロハス”とは、人々の健康と自然環境の保護を第一に考えたライフスタイル。例えば環境に配慮した住宅やオーガニック食品や自然食品、スローライフなどの生活スタイルを指します。

今回の3つの銘柄は“レインフォレストアライアンス”認証豆や、有機認証の豆などです。

ブラジルの『レカント』・・・レインフォレスト認証の南米らしい透明感のあるクリアな珈琲豆

エチオピアの『イルガチェフェ』・・・珈琲発祥の地では今もほとんど農薬を使わず栽培しています。際立つフレーバーが魅力の珈琲豆

中米エクアドルの『アンデスマウンテン』・・ストレートでも人気の定番豆で、JAS認証を受けた無農薬栽培です。

グァテマラ テフヤ

アカテナンゴ火山3976m 最後の噴火は1972年

4000m近いアカテナンゴ火山の裾野に広がるエリアにテフヤ農園はあります。水はけのよい火山灰でミネラル分に富んだ土壌は珈琲の栽培に適していますが、インフラ整備が遅れていたため、これまで認知度が低かったようです。

世界遺産として有名なアンティグア地区の珈琲豆にも負けない品質の高さが、近年のインフラ整備(道路や水不足の改善)のお蔭で欧米のロースターでは、スペシャルリィコーヒーとして高く評価されています。

農園では水洗処理は昔ながらのプロセスを今も貫き、天日乾燥のあとパーチメントで保管します。そして、生豆の鮮度を保つために、船積みの数日前に精選・選別をおこなっています。

バランスのとれた味わいです、後味にチョコレートのような甘味を感じていただけるのでは?お楽しみください!

 

 

 

ケニア キイ

収穫して工場に搬入した完熟チェリーをさらに手選別している様子

ケニア山の南麓に広がるギチュグ地区にあるルンゲト農協からの珈琲豆です。

発酵・水洗後、アフリカンベッドで天日乾燥している様子

ケニアと言えばBEANS’Actでは紅茶が定番ですが、珈琲豆の産地としても有名です。エチオピのモカ同様、酸味が際立つという印象をお持ちの方が多いかもしれませんが、ベリーやカシスを思わせる濃厚な甘味と滑らかな舌触りは上質なケニアの持ち味。

この機会に是非お試しください。

ルンゲト農協は1953年創業と言う歴史ある農協です。3000名近い小規模生産者が加盟し、3つの水洗工場を所有しています。今回の銘柄名”キイ”は最大規模のキイ水洗工場から命名しました。

各農家で収穫された完熟チェリーは選別され、その日のうちに水洗工場に運ばれます。近隣の河川から供給される豊富な水源によって精選処理がなされます。

エチオピア ハマ

珈琲豆発祥の地、エチオピアには今でも多様な品種が自生しています。今月ご紹介する「ハマ」はモカのなかでも特筆した風味を醸すことで知られるイルガチェフェ地区のなかにある、ハマというエリアからの豆です。

“モカ”のイメージはフルーティーな酸味が固定化されていて、酸味が苦手と言う方は敬遠されがちですが、今回の「ハマ」は際立った酸味はなく、紅茶のような爽やかな風味と、優しい甘味を感じるコーヒーです。是非お試しください!

通常の2倍の時間をかけて行われるハンドピックの様子

ハマは標高1600m以上のエリアにあり、小規模農家が点在する地域です。熟した赤い実の収穫や、徹底したハンドピックによる欠点豆の除去など、土壌や気候風土だけでなく、手間をかけた生産工程がモカの中で最高品種と言われる所以かもしれません。

ちなみに「モカ」はエチオピアの豆の総称になっていますが、かつてアラビア半島のモカ港からエチオピア産の豆をヨーロッパなどに出荷していたことに由来します。

そのため収穫地の地名を冠している珈琲豆が多いです。モカハラーはハラール地方、モカシダモはシダモ地方と言う感じです。

 

 

 

コスタリカ ラ カーサ

マイクロミルの看板

コスタリカではこれまで農協系や大手企業による珈琲が主流でしたが、ここ数年、マイクロミルの珈琲が注目されてきています。

今回ご案内のラ・カーサ農園も小規模な農園ですが、家族や親族で栽培したチェリーを、一家が経営するマイクロミルで生産処理をおこなっています。そのことで、より高品質な農園独自のブランドを確立しています。

生産者のカルデロン一家

カルデロン一家が経営する農園・マイクロミルでは20代の若い兄弟が情熱をこめて生産に励んでいるそうです。彼らは世界中のバイヤーに会い、自分自身が生産した珈琲豆の評価を聞けることが大きな喜びだとか。

当店では食品関係は生産者さんとの直接取引がほとんどですが、スケールは違いはあるものの、生産者の想いは同じですね。

彼らが丹精込めてつくったコクのあるクリーミーな口当たりと、余韻の甘さをお楽しみください!

ニカラグア ラスサバナス

中米ニカラグアから、春らしい華やかな香りの珈琲をご案内します。

伝統的なパルパーを使って皮剥き

後口の滑らかさや透明感のある甘味の余韻をお楽しみください。

生産国のニカラグアは、小規模な生産者がほとんどですが、だからこそ手間暇かけた高品質な豆を生み出し、国際的な品評会でも高い評価を得ています。

今回ご案内の豆はラスサバナス地区の小規模生産者による『マイクロロット』です。マイクロロットとは従来型の大規模な精製処理による珈琲豆ではなく、小さな設備で少量生産された珈琲豆です。管理コストは高くなりますが、品種の特徴が際立ち、環境や精製法の違いから生まれる味わいは特別なものになります。今、世界のスペシャルティの産地ではマイクロロットへの移行が加速しています。

精製処理と言うことでは、ラスサバンスはコーヒーチェリーを収穫後、そのまま乾燥させる“ナチュラル”と、水に浸けてから乾燥する“ウオッシュド”の中間的な精製処理“パルプトナチュラル”と言われる処理をおこなっています。

この方法は水に浸けた豆の薄皮(パーチメント)周辺に残る粘着成分が乾燥中に痛みやすく、手間がもかるため、管理も大変なので生産量はごくわずかですが、そのことが独特の甘みを醸し出しているようです。

粘着質がついた状態の豆

天日乾燥中の豆

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラジル レカント

農学博士のオーナー夫妻

世界最大の珈琲豆生産国ブラジルから、自然にも働く人々にも優しい珈琲をご案内!

一世紀以上続く農園を現オーナーが引き継いだとき、肥沃な土壌と多様な植生を、野生生物の生態系を壊さない農園経営を考え、栽培面積の半分にあたる71haを自然保護エリアとして残しました。

レインフォレストアライアンス認証マーク

今では名前が分かっているだけでも26種の動物と、80種の鳥類が生息していると言います。2007年には国際的な有機環境認証機関であるレインフォレストアライアンス(RA)の認証を取得。RA認証農園の国際コンテストで12位を獲得するなど、ブラジルの珈琲豆生産の一翼を担う農園です。

働く人々へも教育や住居を保証し、健全な労働環境を提供しています。自然にも地域社会にも優しいレカント農園の珈琲豆は、バランスの良い優しい味わいです。爽やかなかすかな酸味の中に甘味を感じていただける上質の珈琲です。

 

イルガチェフェ~エチオピア~

アフリカンベッド上のコーヒーチェリー

2018年スタートの「お薦め豆」は、珈琲豆の発祥の地、エチオピアのイルガチェフェ地区の豆をご案内します。

味わいは驚くほどのカシス感!珈琲の常識を崩しそうな風味です。昨年来、数々のスペシャルティコーヒーをご案内してきましたが、これほどの衝撃を受けた豆は初めてです。是非、味わってみてください。

手作業での欠点豆の除去の様子

ちなみに、“イルガチェフェ”は現地の言葉で「湿地とその草」を意味するそうです。標高1600m以上の高地で昼夜の寒暖差も大きく、肥沃な土壌、水源にも恵まれ、コーヒー栽培に適した地です。

恵まれた環境だけでなく、アフリカンベットで欠点豆の除去をしながら、一カ月近くかけて乾燥を進める“スロードライング”も、その風味に大きく貢献していると思います。

 

 

 

ハワイ カウ

12月の“お薦め豆”はハワイの名品『ハワイ カウ』をご案内します。ハワイ島東部、かつてはサトウキビ畑が広がっていたエリア、カウ地区で栽培されている豆です。

ハワイ島の珈琲と言えば「コナ」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、『ハワイ カウ』は今その品質の高さから、世界から注目を集めています。もともとはコナ地区から植樹されましたが、土壌や気候風土の違いから、その風味は「コナコーヒー」とは一線を画す豆に成長しています。

酸味が穏やかで、甘味が際立つ、それでいてクリアな飲み口。ファンが増えていますが、コナコーヒー以上に栽培エリアが大変限られているため希少な珈琲としてプレミアがついています。

この度、少量ですが入手できましたので年内最後の“お薦め豆”でご案内させていただきます。