師走のお薦め豆~ハワイ カウ

12月の“お薦め豆”はハワイの名品『ハワイ カウ』をご案内。

ハワイ島東部、かつてはサトウキビ畑が広がっていたエリアのカウ地区で栽培されている豆です。

ハワイ島の珈琲と言えば「コナ」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、『ハワイ カウ』は今その品質の高さから、世界から注目を集めています。

もともとはコナ地区から植樹されましたが、土壌や気候風土の違いから、その風味は「コナコーヒー」とは一線を画す豆に成長しました。

酸味が穏やかで、甘味が際立つ、それでいてクリアな飲み口。ファンが増えていますが、コナコーヒー以上に栽培エリアが大変限られているため希少な珈琲としてプレミアがついています。

一昨年から師走の豆としてご案内を始めましたが、当店でも人気が高く、何とか少量ですが入手できました。年内最後の“お薦め豆”です。生豆がなくなり次第終了となります。

ビシクレータ~ホンジュラス~

甘い香りとビターなコクが深まる秋にピッタリ?中米ホンジュラスの小さな農園からです。

“クアル ビシクレータ農園”(自転車のような農園)は農園主オマル氏が手塩にかけた農園。2007年頃から有機栽培に取り組み、10年後には品評会“カップ・オブ・エクセレンス”で90点台の高得点で優勝しました。

農場での環境保全にとどまらず、コミュニティの人々と共に植林などによる水源滋養にも積極的に取り組んでいます。

とは言え、有機農法に取り組み始めた当初は生産性も下がり、意気消沈する日々が続いたそうです。その頃、自転車で坂道を上る絵に出合いました。彼は自らの姿をその絵に投影。環境を汚さない自転車をバランスよく操作しながら、常にペダルを踏んで進んで行く!その時から、農園を“クアル ビシクレータ”としたそうです。

小さな農園のこだわりの珈琲豆を味わってください。

 

ブラジル ドルチェ

南ミナス産地の風景

ブラジルはご存知の通り世界最大のコーヒー豆生産国ですが、最近は急速な経済発展で世界第2位の消費国になっているようです。

鑑定士によるカッピングの様子

日本ではブラジルのコーヒー豆はブレンドのベーストとしてもっとも使用頻度の高い豆です。私たち珈琲愛飲家にとってもブレンドのベースと言う印象が否めませんが、今回ご案内のブラジル『ドルチェ』は一味違います!

ブラジルの珈琲鑑定士が300を超えるカッピングで日本人の好みに合うよう生み出された厳選ロット。酸味控えめ、丸みのある味わいと、ほのかに香る甘味。ブラジルの豆の本来の良さが際立つ珈琲です。深まりゆく秋にピッタリ!

是非お試しください。

レージェス~ホンジュラス~

中米ホンジュラスのスペシャルティコ^ヒーを初めてご案内します。ニカラグア・エルサルバドル・グァテマラといった中米屈指のコーヒー生産国に隣接するホンジュラスですが、海外への流通が始まったのは歴史が浅く、ご存知の方は多くないと思います。

流通を阻んだ大きな要因は国土の80%が山岳地帯で、交通網が発達していなかったことが大きな要因のようです。今回の生豆はホンジュラスに在住経験のあり、彼の地の珈琲に魅せられ小規模農家から直接な豆を輸入しているプンタルトさんから提供いただきました。

農園主レージェス氏は農園を始めたころは、決して土壌条件は良くなかったようです。農園に木を植え、日陰をつくり、更にその落ち葉が有機肥料として土壌を肥沃にしました。諦めない彼の想いがスペシャルティコーヒーを産みました。

甘い香りとやさいい飲み口、後口のすっきり感は残暑が残る9月にピッタリ!是非お試しください。

 

この夏はロハスで!

南米のブラジル・アフリカのエチオピア・中米エクアドルの“ロハス”な珈琲豆をブレンドし、イタリアンローストで仕上げました。後口の深い旨味をお楽しみください!

昨夏、大好評いただいた『ロハス アイス』をこの夏は少し深めに仕上げて、すっきり感を出しました。でも、ホットで淹れていただいてもご満足いただけます。是非お試しください。勿論、アイスカフェオーレにもどうぞ!

最近、新聞や雑誌、SNSでもよく耳にするようになった“ロハス”。人々の健康と自然環境の保護を第一に考えたライフスタイルを指します。例えば環境に配慮した住宅やオーガニック食品や自然食品、スローライフなどの生活スタイルを指します。

今回の3つの銘柄は“レインフォレストアライアンス”認証豆や、有機認証の豆などです。

ブラジルの『レカント』・・・レインフォレスト認証の南米らしい透明感のあるクリアな珈琲豆

エチオピアの『イルガチェフェ』・・・珈琲発祥の地では今もほとんど農薬を使わず栽培しています。際立つフレーバーが魅力の珈琲豆

中米エクアドルの『アンデスマウンテン』・・ストレートでも人気の定番豆で、JAS認証を受けた無農薬栽培です。

サンタクララ~グァテマラ~

sanntaサンタクララ農園はグァテマラでも良質の珈琲豆を産するアンティアグアエリアにある農園です。

アンティグアの豆は古くはドイツなど欧州の高級コーヒーとして輸出されていましたが、近年はアメリカの”スペシャルティコーヒー”の発展によって、消費地がアメリカにシフトし、日本にも農園ごとのスペシャルティコーヒーが輸入されるようになりました。

今世紀に入り34の農園主が「アンティグア生産者協会」を設立するなsanta2ど、生産者情報のデータベース化などにも力を注いでいます。さながらワインのような取り組みですね。

なかでもご案内のサンタクララ農園は一世紀以上にわたってアンティグアでコーヒーを栽培している土地を引き継いだリカルド氏の豆です。農園の拡張、生産処理設備やカッピングルームの増強をおこない、さらなる高品質のグァテマラの生産に尽力しています。

サンタクララ農園の深いコクとマンデリンとは別格の甘みをこの機会に味わってください。

 

エンデベス~ケニア~

ケニア西北部、ウガンダ国境近くにあるキタレ地区の農園からのスペシャルティです。

ケニアでは”ウオッシュド”の豆がほとんどですが、この農園ではあえて”ナチュラル”で仕上げています。

ケニアでのナチュラルは、通常収穫の終わりに余ったチェリーで作られますが、エンデベス農園では意図的に創りあげています。それは、皮や果肉、豆表面のヌメヌメを洗い流してから乾燥するウオッシュドより、収穫したチェリーをそのまま乾燥させるナチュラルの方が、香りや味わいがより髙くなるからです。

アフリカンベッドでの果肉が付いたままの乾燥は、水分が多いので乾燥中に発酵しないよう、頻繁に撹拌するなど手間がかかり、適切な水分値になるまで日数もかかります。それでも農園では、スペシャルティの豆をあえてナチュラルで仕上げています。

スタッフは“桃のような香り”と言いますが、私は“リンゴのような?”案内書には“プルーンのような”とあります。さて、あなたはいかがでしょう?是非お試しください。そして、教えてください!

ラス ブルマス ~ニカラグア~

農園オーナーのパクアガさん

中米ニカラグアはもともと良質の珈琲の産地として知られていましたが、80年代の内戦でコーヒー産地は荒廃してしまいました。内戦が収束するなか、徐々に珈琲栽培も安定して、良質の豆の産地として復活しました。

多くの産地では特定の品種を区画を分けて栽培する方法をとっていますが、ニカラグアでは内戦時の混乱期、様々な品種がバラバラに植えられ、それが今でも残っています。

今回ご案内のラス ブルマス農園はニカラグアの北西部に位置し、2014年に創設されました。農園は山岳地帯にあり、松や土着の木々に囲まれた険しい立地です。

収穫直後の様子

この農園の珈琲豆の大きな特徴はキャラメルを思わせる甘い香り!

その秘密はハニー精製によります。収穫した完熟コーヒーのチェリーの果肉を除去した後、豆の周りに付いたミューシレージと呼ばれる粘液質を残した状態でゆっくりと乾燥させます。完熟実のミューシレージの甘味が豆に移り、独特の香りを醸し出します。

コーヒーの精製方法は、チェリーを摘み取ってそのまま乾かすナチュラル(乾式)と、表面の皮を剥がして、発酵させ粘液質(ミューシレージ)を除去するウォッシュド(水洗式)がよく知られていますが、今回のハニー製法はリスクも手間もかかる製法ですが、その独特の香りから注目されています。是非、この機会にお試しください。

 

パナマ レリダ

農園の風景 険しい斜面を利用してコーヒーを栽培しています

2年ほど前に“お薦め豆”でご案内し、大変好評だったスペシャルティです。久々に味わい、果実味のある甘さと酸味のバランスがよい珈琲は更に進化し、丸みを感じる仕上がりに!珈琲豆も収穫毎の出来栄えが変わる農産物なのだと実感しました。今年のパナマレリダを味わってください。

ゲイシャ種で話題のパナマですが、もともと生産量が少なく、コスタリかの一か月分といわれています。そのため、個性と品質で勝負と言うのがパナマの珈琲栽培の傾向です。

農園は隣国コスタリカ国境近くの標高1600m以上の高地にあり、生育環境にも恵まれていますが、小規模な農園だからこそできる丁寧な栽培でパナマの甘さに加え、柑橘系の酸を感じる個性的な珈琲豆に仕上がっています。

生産量が大変限られているため、ご案内中に生豆が完売しました時はご容赦下さい。

 

イルガチェフェ~エチオピア~

09252240_5061b46122f67[1]珈琲豆の発祥の地とされるエチオピアからです。スペシャルティコーヒーとしてヨーロッパやアメリカでも珈琲通に珍重されている『イルガチェフェ』を2年ぶりにご案内します。

エチオピアに自生するコーヒーノキは一説には6000種以上とも言われています。その中から良質の品種が選択され、品種改良されながら各地~ハラー・ジンマ・シダモ・・・・~で栽培されてきました。今回ご案内の『イルガチェフェ』はシダモ地方にあるイルガチェフェエリアで栽培された豆です。

最近、「コーヒーの野生種6割 絶滅の危機」と言うショッキングな記事を目にしました。野生種だから関係ないでしょ・・・と思いきや、そうではないのです。野生種の7割はエチオピアなど限られたエリアにあります。その野生種は品種改良に不可欠。温暖化は珈琲愛飲家にとっても大問題。(一人一人ができることを考えないと・・・)

日本の作動にも通じる「コーヒーセレモニー」に使われる道具

『イルガチェフェ』のような紅茶にも似た個性的なフレーバーが楽しめなくなる日が来るかもしれません。イルガェフェ産の豆は生産量も大変限られていて、モカ全体の数%とも言われています。

そして、日本の茶道にも通ずるエチオピアのコーヒーセレモニーは、千年以上の歴史があります。その歴史を今世紀で終わらせたくないですね。