3年ほど前、お薦め豆でご案内し、好評いただいた珈琲豆です。久々に生豆が入手できました。改めての案内です。
生産国は赤道直下の国エクアドル。オーガニックコーヒー豆(JAS認定)です。
豆面の美しさと優しい甘い香りからは想像できないしっかりしたコク、後口にアーモンドフレーバーが広がります。
産地はアンデスの山岳地帯を含む標高500~2000mの高地で、無農薬で栽培した完熟豆を水洗処理し、天日乾燥します。水分12%まで乾燥した豆は豆質が柔らかく焙煎上りが美しい豆に仕上がっています。
中米コスタリカのコーヒー栽培は小規模な農園がほとんどですが、生産者はプライドをもって生産に取り組んでいます。なかでも西部に位置するウエストバレー地域は高品質なコーヒー豆の生産エリアとして注目されています。
コスタリカでも周辺国と同じように従来は、収穫したチェリーの加工を農協や業者に搬入し、様々な農園のチェリーを生豆に加工するという分業制が主体でした。この場合、各農家のコーヒー豆の特徴は失われてしまいます。
2000年頃から、先進的な農家では小規模ながらも、自ら設備(水洗処理・乾燥など)を整え、品質の高い珈琲を生産する動き=マイクロミルのコーヒーが誕生し注目されています。今やその数は200近いと言われています。(日本でも農協を通さず消費者に農家が直接販売するブランド米が増えていますがそれと似ていますね)
生産者のプライドを賭けた豆と言えます。そんななかで、カルデナス氏のシンリミテス農園はマイクロミルの中でも五指に入るスペシャルティコーヒーです!
ちなみに“シンリミテス”は“無限”と言う意味だそうですが、オレンジのような香りと、コクのある甘味をもつコスタリカコーヒーの無限の可能性を感じていただければと思います。
ボリビアではアルティプラーノと呼ばれる、ラパス近郊の高原地帯がスペイン人入植者によって開拓されました。そこは金、銀、すずなどの鉱山資源は豊富にありましたが、4000mに近い冷涼で過酷な環境は農業には適しませんでした。そこでアルティプラーノの住民たちは、肥沃で気温も穏やかで過ごしやすいユンガス地域に「降りて」きました。
先にコーヒー生産が栄えたのはラパスに近い場所でしたが、よりコーヒーに適したコロイコやカラナビに産業が移り、カラナビはボリビアコーヒーの首都と呼ばれるようになり、コーヒーの一大集散地となりました。
カストロ氏もこのアルティプラーノに暮らしていた1人です。コーヒー生産の為に、この地に家族親戚で移り住んだのが15年前。家族・兄弟でこの地を耕し、2008年COE(カップ・オブ・エクセレンス)では兄弟のペドロ・カストロ氏がCOE2位の栄冠に輝いた事が今でも一族の誇りです。
カストロ氏もナショナルウィナーに選出経験があり、この地で生まれた4人の子供たちと奥さんと共に高品質なコーヒー生産を目指し、スペシャルティコーヒーの生産に従事している数少ない生産者です。
オレンジを思わせるフレーバーとチョコレートのような甘さを感じていただけるクオリティの高い豆に仕上がっています。味わってみてください。
グアテマラはご要望が絶えない豆ですが、これまで数々の農園・産地からご案内していますが、なかなか定番化が図れない豆です。今回の“レゼルバ”の評価はいかに!皆様よろしくお願いします。
グアテマラには8つの産地がありますが、生産地はグアテマラ市から最も離れたメキシコ国境に位置します。岩肌がところどころみられる非常に険しい、標高の高い産地です。
冬の収穫時期の朝には、霜がみられることがあるほどです。ただ、メキシコからの乾燥した熱風がこの地域には吹き込み、それがコーヒー生産を可能にしています。
この地域では、過去カップオブエクセレンス品評会で多くの入賞農園を生み出してきました。
とても甘く、グレープのような風味をご賞味ください。
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コロンビアは世界3位の生産国ですが、高品質な珈琲豆生産国かと言うと、世界的な評価は高くないのが現状です。
そんな中でウィラ県のロスイドロス生産組合は生産処理工程の標準化などにも取り組み、安定的に高品質な珈琲を生産する組合として評価されています。
10数年前の「コーヒー危機」の際はコカなどの不法な作物を栽培し、収入を得ていた生産者もいましたが、この組合では2002年以来、不法作物を全て除去し、高品質コーヒーの生産に取り組み始めました。
その成果は徐々に実を結び、2006年には組合としてフェアートレードの認証を得ました。そんな背景のある珈琲豆のシルキーな舌触りとマイルドな飲み口をお楽しみください!
火山が多く「火の国」と称されるエルサルバドルは、西はグアテマラ、北と東はホンジュラス、南は太平洋に接する中米で最も小さな国です。面積は九州の半分ほどの大きさ。
コーヒーの栽培はは1858年に始まり、生産量はエルサルバドルの農業生産の3分の1を占めていると言われています。輸出の2分の1はコーヒーが占め、就労人口の4分の1がコーヒーの生産に関わっているそうです。
1956年には国立農政省コーヒー研究所が設立され品種改良や生産技術の研究が進み、農家への技術指導や産業復興に国をあげて力を入れています。
12月はそんな小さな珈琲大国の豆をご案内します。生産地はホンジュラスとの国境沿いにあるパルマ地区。標高が高く、交通の便も悪く秘境の地と呼ばれていますが、それ故にに独自の風味が守られ高品質の産地としてカップオブエクセレンス上位の常連地区となっています。秘境の地の凝縮した甘味とキャラメルのような滑らかなコクをお楽しみください。
アンティグアはグァテマラでも良質の珈琲豆を産するエリアとして知られています。古くはドイツなど欧州の高級コーヒーとして輸出されていましたが、近年はアメリカの”スペシャルティコーヒー”の発展によって、消費地がアメリマにシフトし、日本にも農園ごとのスペシャルティコーヒーが輸入されるようになりました。
今世紀に入り34の農園主が「アンティグア生産者協会」を設立するなど、生産者情報のデータベース化などにも力を注いでいます。さながらワインのような取り組みですね。
そんな農園の中で、今回ご案内するのは一世紀以上にわたってアンティグアでコーヒーを栽培している地を引き継いだリカルド氏の「サンタクララ農園」からの豆です。農園の拡張、生産処理設備やカッピングルームの増強をおこない、さらなる高品質のグァテマラの生産に尽力しています。
サンタクララ農園の深いコクとマンデリンとは別格の甘みをこの機会に味わってください。