上野長一さんは30年近く前から無農薬栽培に取り組み、今では自然栽培(農薬も肥料も使わない農業)に取り組む稲作農家。BEANS’Actには『いろいろ米』が10月下旬に、『コシヒカリ』の白米と玄米はご予約制で毎月精米したてが届きます。そんな上野長一さんからの定期便にお便りが入っています。
「いつも、いつも、ありがとうございます」で始まるお便りには都会に住んでいると経験できないことや、想いが詰まっています。一部抜粋でご案内します。
9月も10日になりますので、さて、今年も稲刈りに入るぞと気合が入りますが、またまたこの悪天候に出鼻・出花・出端を折られております。ここ数年、やはり9月は荒れ台風により、また突風、雷風により、収穫直前に悪天候に打ちたたかれております。
昔の稲刈りは9月末からでしたが、今や稲作りが早くなったり、天候が変わったり、稲の品種が早生になったりと、昔より稲作りが早くなったことも、この悪天候とガチ合うようになってしまった気もします。
昔は米不作の時は早場米とか言ったことがあり、早期栽培で早く出荷すると奨励金が出されたこともありましたので、栽培作業も早くなり、そして、機械化によって農民の手が他産業へと働き出したりしたことも、5月の連休田植え作業の工程へと・・・。そして、天候も温暖化稲の品種の早生化、そして、心理的に早く終わらせたい・・・いろんな要素が入り早い方は8月下旬より稲刈りに入っています。
今年も収穫前にヤキモキしていますが、風が吹かず、強い雨だけで助かっていおります。9月4日よりもう4~5回バケツをひっくり返したような雨が2~3時間降り続き出るも入るもできない状態でした。みるみる川は泥水のような流れと化してしまっていました。線状降水帯とかで局地的に降り、道の排水が間に合わないところが出ておりました。
手を合わせハラハラドキドキでしたが、もう何十年も9月の突風・雷雨に悩まされたこともあり、また、物価高も重なり、そして、有機を投入してきたこともあり、無肥料とした田んぼが8割ほどにしましたので、収量こそは少ないのですが、そんなにマイナスにはならないのではと思います。
今、自然栽培の植物が体にやさしいとかで、食を考える方々が多くなったことも含め、私の年齢のことも考え合わせると、手抜き百姓こそが確かな技術、確かな未来、そして、身の回りの動植物と協調してこそ、この地球は守られるのではと思っています。
無農薬栽培を始められたころは農薬散布が常識だった時代。地域で大変な思いをされた経験も以前伺ったことがあります。あれから20年以上たち、時代は大きく変わったことをお便りから感じました。
上野さん!時代の最先端ですね。新米のコシヒカリといろいろ米、楽しみにしています。