リバン ガヨ ムサラ~インドネシア~

2022年にコーヒーの国際的な品評会COEで1位に輝いたリバン・ガヨ・ムサラ組合からの、フルーツフレーバーが弾けるナチュラルをご案内します。

生産者のアスマン アリアントさんはコーヒー栽培をスタートした1998年当初はスマトラ島で主流のスマトラ式という精製方法でコーヒーを栽培していました。降雨の多いこの地では難しいとされていたウオッシュドの精製方法に挑戦し、失敗を繰り返しながら高品質な水洗式のコーヒーを作り上げることに成功したそうです。

彼はその成功に満足せず、ハニーやナチュラルなどの精製にも取り組み、世界を驚かせるクオリティのコーヒーを作り続けています。今、彼は2018年に協同組合「リバン ガヨ ムサラ」を作り、彼の経験を多くの小農家さんに伝え高品質なコーヒーの発展に力を注いでいます。

そんな組合からの豆は白ワインを思わせる甘く爽やかな香りが楽しめるコーヒーです。インドネシアの豆はハイローストくらいで焙煎するのが常ですが、今回は余韻を残すために敢て少し浅めに焙煎しました。

ナチュラル(乾燥式):収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥

スマトラ式:乾燥を2回に分けて行うスマトラ独自の精製方法

ウオッシュド(水洗式):チェリーの皮・果肉・パーチメント(粘液質)を洗い流してから乾燥

 

 

ドルチェ チョコラーダ~ブラジル~

ヴァレンタインに合わせて、今年もダークチョコレート感が楽しめる珈琲をご用意しました!

ブラジルといえば香ばしいナッツと、後口に醸すダークチョコ感が持味ですが、それにとことんこだわって“つくった”豆です。

産地を指定するのではなく、ダークチョコの印象を強くするために、南ミナス、セラード、モジアナで栽培されたコーヒーのロット、何と数百種類をブラジルのコーヒー鑑定士が鑑定・厳選してブレンドしたコーヒーです。

もう一つの特徴が、完熟したチェリーを収穫するのではなく、完熟から少し乾燥したぐらいのコーヒを使用しています。

これまでご案内したシングルオリジンや、スペシャルティとは異なる生育で生まれたコーヒーの味わいをお確かめください!チョコレートを召し上がる前に香りと後味をまずはお楽しみください!

 

グジ シャキッソ~エチオピア~

新しい年の始まりはやっぱりエチオピアから!コーヒー発祥の地、エチオピア首都から南方400Kmほどにあるグジにあるシャキッソ村からのJAS認証のコーヒーをお届けします。

シャキッソ村のコーヒー誕生の歴史は語るには長すぎますが、村を襲った山火事から始まります。プロデューサーのTesfaye氏が、村の山火事の鎮火後に、残ったごく僅かな森林と広大な土地を5ヘクタールを購入。残った森林を保護と再生を願い、自身でコーヒーとシェードツリーを播種・栽培し、有機栽培でのコーヒー生産を始めました。

2006年に最初の収穫を迎えて以降、村の小規模農家さん達を巻き込みながらその規模を拡大していきます。5haが今や100倍の521ha!

Tesfaye氏は幼い頃、自宅から58kmも離れた学校に通っていた経験があり、コーヒーの売上の一部を拠出し、シャキッソ村に小学校を建設・寄贈しました。。村に教育の場があり、農園という労働の場があることで、愛着のある生まれ育った村から離れなくても生活できる、もしくは進学の為に一度村から離れることになっても、村に変えれば学んだことが役立つ環境がある。そんな安心感を子供たちに与えられるように努力し、地域ぐるみで持続可能なコーヒー栽培を目指しています。

現在、寄贈した学校では約1400人の子供達が通うマンモス校となり、地域の大人に見守られながら勉学に励んでいるそうです。

まさにSDGsの先駆けのようなエリアからのコーヒーです!オレンジのようなフレーバーと甘さを感じるモカらしい飲み口です。かの地に想いを馳せながら2024年をスタートしてください!

ラス ノベス~エルサルバドル~

年内最後の“お薦め豆”は何人かのお客さまからリクエストを頂いていたエルサルバドルの珈琲をご案内します。中米で一番小さな国エルサルバドルは、四国くらいの大きさですが、20を超える火山があり、ミネラル分豊富な火山性土壌で珈琲栽培に適した環境です。

コーヒーの花

国も経済を支える大きな輸出品のひとつとしており、国花は「コーヒーの花」です。

生産者のエドアルド・アルベレスさん

同国の豆のランク付けは、より高い標高で栽培された方が高ランクになります。今回ご案内のラス ノベス農園は標高1400~1500mにあり、最高級ランクSHG(1200m以上)です。

しかも収穫期間中で最も熟度が高まるタイミングのチェリーだけを水洗式で精製した豆です。フローラルでジューシーな味わいのマイクロロットです。師走にそんな希少な珈琲豆の風味を味わいながらホッと一息ついてください。

ジーニアス・ハニー~東洋のパナマから

アメリカでは東洋のパナマと称されるほど注目されているミャンマーからの豆が再入荷しました。

しばらく欠品中だったので、11月に改めてご案内します。

今年は生産者さんの乾燥技術や精製技術の向上が目覚ましく、甘さやフレーバーがさらに良くなったように思います。同じ銘柄を飲み続けると、その年の気候や生産者さんの技術で風味は左右されるということを実感します。

ジーニアスは小規模農家が農薬も化学肥料も使わず栽培し、完熟豆を手摘み。精製も甘いフレーバーを引き立せる一番手間がかかるハニープロセスで仕上げています。初めて口にした時、アジアの豆の印象が変わりました。是非お試しください。

「ハニープロセス」とは、コーヒーの果肉から種をとりだした後、種のまわりについている甘い膜(ミュシレージ)を、あえて洗い落とさずに乾燥させて精製する方法です。

乾燥中にまわりの糖分により発酵がすすみ、甘いフレーバーがひき立ちやすいことから、こう呼ばれます。

大変遅くなりましたが2023年のNewクロップのご案内です!

パナマ ボケテ~バホモノ農園~

スペシャルティコーヒーの生産地として知られるボケテ地区は、バレー火山の東側の渓谷にあります。火山性土壌、カリブ海と太平洋に挟まれ、海からの水蒸気が多く流れ込む影響で雨が多く、冷涼な気候が維持されます。

コーヒーのシェードツリーとなる木も豊かでトロピカルフルーツなどの木々でつくられる影のもと、コーヒーはゆっくり、ゆっくり育ちます。

バホモノ農園ではコーヒーを水洗し、天日乾燥した後、更に機械乾燥をおこない、最後に60日間寝かせる工程を加えています。この工程によりコーヒーの甘みが増すといわれており、酸味と甘みのバランスのとれたコーヒーに仕上がっていきます。

バホモノ農園は比較的新しい農園ですが、地勢にも恵まれ丁寧な乾燥の工程でシュガー系の甘さとナッツ感を味わって頂けるクリーンな豆を生産しています。

酷暑で疲れた体に優しい風味が沁みわたると思います!

 

イルガチェフェ~エチオピア~

コーヒー発祥の国とされるエチオピアで、最高級品質の豆を生産している地域として知られるイルガチェフェ 。とくに、今回ご案内のコーヒーが生産されるエリア アリーチャは水資源が豊富で、水洗工場も多く、高品質なイルガチェフェコーヒーを産出する地域のひとつとしても有名です。

通常では、高品質ウォッシュに使用される完熟チェリーをナチュラルでしあげています。

標高が高い上に、赤道直下のこの地域では、日照が強すぎるとチェリーやパーチメントにダメージを与えて、味に濁りが出てしまいます。そこで、日照の強い11~15時の時間帯は、チェリーをビニールシートで覆い急激な乾燥を防ぎます。

また、通常の乾燥日数が10日間のところ、20日間かけてゆっくり乾燥を進めることで、コーヒー内の水分を均一化させ、複雑でありながらクリーンな味わいを作り出しています。緩やかな乾燥は、劣化のスピードを抑えることができ、通年通して品質の高いコーヒーを維持することができるといいます。

イルガチェフェのナチュラルというにふさわしい、ベリー系のフレーバーをお楽しみください。 さらにフルーツ感、ジンジャーのようなスパイス感・・・複雑な香味をお楽しみください。

ドイパンコン~ハニー~ 

収穫直後のコーヒーチェリー

タイ産コーヒーの歴史は古く、1970年代初頭に、当時の国王ラーマ9世が、麻薬の原料となるケシ栽培に代わるものとしてコーヒーや果物の栽培を推奨したことに始まります。

タイ北部に位置するドイパンコンでは40年ほど前から栽培が始まりました。

このエリアはアカ族やムーサールマン族といった少数民族が暮らす場所で彼ら自身も土器で直火焙煎をし、スモーキーな味わい深い珈琲を飲む習慣があるそうです。

ミシュレージ(内皮)を残して乾燥中の豆

生産者の代表の青年はかつてイギリスに留学していた時、一度も本当に美味しいタイコーヒーに出逢えなかったそうです。だから自分がつくりたいと、スペシャルティコーヒーのマーケットに挑戦し、品質向上に取り組んでいます。

今回ご案内のドイパンコンの精製方法は「ハニー」です。ハニー製法は水を使わず果肉を取り除き、ミュシレージ(豆の周りの粘液)をあえて多めに残して乾燥させています。豆の甘みをより感じて頂ける珈琲に仕上がっています。

その甘みたっぷりの豆を優しい焙煎で仕上げ、優しい甘味や、丸く爽やかな酸味を楽しんで頂ければと思います。口当たりもシロップのような印象に仕上がっているはずですが・・・お試しください!

ラオス カトォアット~無農薬栽培~

かろやかな優しい苦みはこの時期にピッタリです。

11の村からなる農民による農民のための生産者協同組合、ジャイ・コーヒー生産者協同組合(JCFC)から届く豆です。生産地のカトゥアット村は、国際NGOのOxfamオーストラリアの支援を受け、高品質のコーヒー生産に取り組んできた意欲のある村です。ボラベン高原で暮らす彼らは森の恵みと共生し、肥沃な大地、豊かな森の中で丁寧にコーヒーを育てています。

アラビカ種の中で、ティピカ種は味が優れていますが、病害に弱く収量も多くはないため希少種と言えます。ラオスでの栽培もわずかですが、村人は原種に近く古くから親しまれているティピカの栽培を続けています。ラオスのティピカはラオス人を彷彿させるような柔らかい甘みと優しい味わいです。

有機の認証は受けていませんが、無農薬栽培です。

●生産地:ラオス南部ボーラヴェーン高原
●生産者:生産者協同組合JCFC
●加工方式:水洗加工方式
●品種:アラビカ種ティピカ

※JCFC…ジャイ・コーヒー生産者協同組合。”ジャイ”とはラオス語で”心”を意味します。

※オックスファム(Oxfam)…1942年にイギリスで設立されたNGO。現在は世界各地で活動の理念に共有する人びとがOxfamを立ち上げ、100カ国以上で緊急支援や開発の活動を続けています。Oxfamオーストラリアがカトゥアット村のコーヒー生産者を支援してきました。

メキシコ チアパス

メキシコ南東部に位置するチアパス州は、古代文明が栄えた地としても知られるエリア。多様な民族と豊かな自然が育んだ豆は、ほのかな甘みが後口に残る軽~い飲み口が持味。

グァテマラとの国境近くのチアパスからのJAS認証のオーガニックコーヒーを生産するのは、サンフェルナンド生産協同組合に加盟する32の共同体の農家さん達1000人ほどです。

画像を見ると森の中にコーヒーの実がなっているという感じ!野生動物や野鳥などの生息地でもあり森の循環の中で育まれたコーヒーです。

今回、持ち味を活かすために、あえて中煎より浅目のシナモンに近い焙煎にしています。でも、いやな酸味は感じません!アーモンドのような甘い後味と軽~い飲み口が、モワッとした梅雨空には良さそうです。いつもより低目の湯温でサラッと淹れてください!