エチオピア ハマ

珈琲豆発祥の地、エチオピアには今でも多様な品種が自生しています。今月ご紹介する「ハマ」はモカのなかでも特筆した風味を醸すことで知られるイルガチェフェ地区のなかにある、ハマというエリアからの豆です。

“モカ”のイメージはフルーティーな酸味が固定化されていて、酸味が苦手と言う方は敬遠されがちですが、今回の「ハマ」は際立った酸味はなく、紅茶のような爽やかな風味と、優しい甘味を感じるコーヒーです。是非お試しください!

通常の2倍の時間をかけて行われるハンドピックの様子

ハマは標高1600m以上のエリアにあり、小規模農家が点在する地域です。熟した赤い実の収穫や、徹底したハンドピックによる欠点豆の除去など、土壌や気候風土だけでなく、手間をかけた生産工程がモカの中で最高品種と言われる所以かもしれません。

ちなみに「モカ」はエチオピアの豆の総称になっていますが、かつてアラビア半島のモカ港からエチオピア産の豆をヨーロッパなどに出荷していたことに由来します。

そのため収穫地の地名を冠している珈琲豆が多いです。モカハラーはハラール地方、モカシダモはシダモ地方と言う感じです。

 

 

 

コスタリカ ラ カーサ

マイクロミルの看板

コスタリカではこれまで農協系や大手企業による珈琲が主流でしたが、ここ数年、マイクロミルの珈琲が注目されてきています。

今回ご案内のラ・カーサ農園も小規模な農園ですが、家族や親族で栽培したチェリーを、一家が経営するマイクロミルで生産処理をおこなっています。そのことで、より高品質な農園独自のブランドを確立しています。

生産者のカルデロン一家

カルデロン一家が経営する農園・マイクロミルでは20代の若い兄弟が情熱をこめて生産に励んでいるそうです。彼らは世界中のバイヤーに会い、自分自身が生産した珈琲豆の評価を聞けることが大きな喜びだとか。

当店では食品関係は生産者さんとの直接取引がほとんどですが、スケールは違いはあるものの、生産者の想いは同じですね。

彼らが丹精込めてつくったコクのあるクリーミーな口当たりと、余韻の甘さをお楽しみください!

ニカラグア ラスサバナス

中米ニカラグアから、春らしい華やかな香りの珈琲をご案内します。

伝統的なパルパーを使って皮剥き

後口の滑らかさや透明感のある甘味の余韻をお楽しみください。

生産国のニカラグアは、小規模な生産者がほとんどですが、だからこそ手間暇かけた高品質な豆を生み出し、国際的な品評会でも高い評価を得ています。

今回ご案内の豆はラスサバナス地区の小規模生産者による『マイクロロット』です。マイクロロットとは従来型の大規模な精製処理による珈琲豆ではなく、小さな設備で少量生産された珈琲豆です。管理コストは高くなりますが、品種の特徴が際立ち、環境や精製法の違いから生まれる味わいは特別なものになります。今、世界のスペシャルティの産地ではマイクロロットへの移行が加速しています。

精製処理と言うことでは、ラスサバンスはコーヒーチェリーを収穫後、そのまま乾燥させる“ナチュラル”と、水に浸けてから乾燥する“ウオッシュド”の中間的な精製処理“パルプトナチュラル”と言われる処理をおこなっています。

この方法は水に浸けた豆の薄皮(パーチメント)周辺に残る粘着成分が乾燥中に痛みやすく、手間がもかるため、管理も大変なので生産量はごくわずかですが、そのことが独特の甘みを醸し出しているようです。

粘着質がついた状態の豆

天日乾燥中の豆

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラジル レカント

農学博士のオーナー夫妻

世界最大の珈琲豆生産国ブラジルから、自然にも働く人々にも優しい珈琲をご案内!

一世紀以上続く農園を現オーナーが引き継いだとき、肥沃な土壌と多様な植生を、野生生物の生態系を壊さない農園経営を考え、栽培面積の半分にあたる71haを自然保護エリアとして残しました。

レインフォレストアライアンス認証マーク

今では名前が分かっているだけでも26種の動物と、80種の鳥類が生息していると言います。2007年には国際的な有機環境認証機関であるレインフォレストアライアンス(RA)の認証を取得。RA認証農園の国際コンテストで12位を獲得するなど、ブラジルの珈琲豆生産の一翼を担う農園です。

働く人々へも教育や住居を保証し、健全な労働環境を提供しています。自然にも地域社会にも優しいレカント農園の珈琲豆は、バランスの良い優しい味わいです。爽やかなかすかな酸味の中に甘味を感じていただける上質の珈琲です。

 

イルガチェフェ~エチオピア~

アフリカンベッド上のコーヒーチェリー

2018年スタートの「お薦め豆」は、珈琲豆の発祥の地、エチオピアのイルガチェフェ地区の豆をご案内します。

味わいは驚くほどのカシス感!珈琲の常識を崩しそうな風味です。昨年来、数々のスペシャルティコーヒーをご案内してきましたが、これほどの衝撃を受けた豆は初めてです。是非、味わってみてください。

手作業での欠点豆の除去の様子

ちなみに、“イルガチェフェ”は現地の言葉で「湿地とその草」を意味するそうです。標高1600m以上の高地で昼夜の寒暖差も大きく、肥沃な土壌、水源にも恵まれ、コーヒー栽培に適した地です。

恵まれた環境だけでなく、アフリカンベットで欠点豆の除去をしながら、一カ月近くかけて乾燥を進める“スロードライング”も、その風味に大きく貢献していると思います。

 

 

 

ハワイ カウ

12月の“お薦め豆”はハワイの名品『ハワイ カウ』をご案内します。ハワイ島東部、かつてはサトウキビ畑が広がっていたエリア、カウ地区で栽培されている豆です。

ハワイ島の珈琲と言えば「コナ」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、『ハワイ カウ』は今その品質の高さから、世界から注目を集めています。もともとはコナ地区から植樹されましたが、土壌や気候風土の違いから、その風味は「コナコーヒー」とは一線を画す豆に成長しています。

酸味が穏やかで、甘味が際立つ、それでいてクリアな飲み口。ファンが増えていますが、コナコーヒー以上に栽培エリアが大変限られているため希少な珈琲としてプレミアがついています。

この度、少量ですが入手できましたので年内最後の“お薦め豆”でご案内させていただきます。

グァテマラ アゾティア

アゾティア農園はグァテマラにある珈琲産地のなかでも、特に優れた豆を生産するエリア、アンティグアにあります。

アンティグアでは2000年に34の農園主が集まり、生産者協会が設立しました。協会では原産地統制呼称を守り、同エリアのコーヒーの価値を高める活動を行ってきました。そのひとつが、各農園の地理的情報、土壌、気候条件など生産者情報をデータベース化したことです。それらの活動はワインのような価値ある方向に向かう、現在のスペシャルティコーヒーの先駆けとなっています。

アンティグアエリアの豆は、かつてはドイツなどヨーロッパへ高級コーヒーのとして、輸出されていましたが、アメリカのスペシャルティコーヒー産業の台頭によって、消費地が米国にシフトし、日本へもその波が届くようになりました。

そんなエリアにあるアゾティア農園は、1883年にコーヒー農園としてスタートした歴史のある農園です。リンゴを思わせる甘い香り、それでいてバランスのとれた厚みのある飲み口。かすかな渋味も魅力です。お試しください。

 

ニカラグア マラゴジーペ

ニカラグアってどこにあったかしら?と思われる方も多いのではないでしょうか?中米の小さな国で、国土は日本の三分の一ほどです。長らく内戦が続き、中米のなかでも最も貧しい国と言われています。

80年代の内戦で珈琲産地は荒廃しましたが、90年代に入り徐々に良質な珈琲が栽培されるようになりました。最近では国際的な品評会でも、その評価は上がっています。

今回ご案内のマラゴジーペは、もともとはブラジルで発見されたティピカ(アラビカ種のなかの在来種の一種)の突然変異種です。他の品種に比べ種子も葉も大きく、コーヒーの木も背丈が高く、収穫するのが大変です。そのため生産性が低いので栽培種としては適していません。

幸いにも・・・と言う表現は、妥当ではないかもしれませんが、内戦の混乱期、様々な品種が残っていたため、現在でも小規模生産者によって栽培が続けられています。

そんな歴史の背景を背負った珈琲豆を山岳地帯の65軒の小さな生産者が、昔ながらの栽培方法で育てています。超大粒な豆はクリーミーな香りとベリーのような余韻が魅力です。

エチオピア ゲレナアバヤ

画像は森の中?と言う感じですが、エチオピアのコーヒーの木です。

長い枝が上から垂れてアーチ状になっています。収穫する時は、枝を下に降ろしながら一粒一粒収穫します。中南米のようにまとまって結実する品種ではないため、労力と時間がかかる大変な作業です。

今月ご案内のお薦め豆は珈琲の発祥の地エチオピアから。エチオピア南西部に位置するジマ地方のスパイシーな香りがするスペシャルティコーヒーです。

ジマ地方には現在でも多くの品種が自生していると言われていて、珈琲豆の遺伝資源の宝庫となっています。

銘柄の「ゲレナアバヤ」は栽培地の地名ですが、この地の小規模農家が栽培する豆は、処理段階の節目節目での欠点豆の除去や、乾燥に倍以上のに日数をかけるなど、徹底した生産管理をおこなうことで、豆本来の魅力を余すことなく引き出しています。

アフリカでは生姜を浮かべて飲む「ジンジャーコーヒー」が好まれていると聞いていますが、この珈琲豆は何故か「ジンジャーコーヒー」そのものです!是非、お試しください。

 

マンデリン リントン~インドネシア~

インドネシアは(緑色)大小の島々から成り立っています。左の大きな島がスマトラ島 です。 島の北側がアチェ州で内陸部にトバ湖があります

『マンデリン』の歴史は古く、インドネシアに珈琲豆が伝わった17世紀のこと。インド経由でアラビカ種がジャワ島に植樹されました。

その後、オランダに大きな富をもたらしましたが、20世紀初めコーヒー栽培にとって大敵とされる「さび病」が大流行し、アラビカ種がほとんど途絶えてしまいました。

以降は病気に強い品種ロブスタ種(主にインスタントコーヒーなどの原料)へ栽培が移行してしまいました。

トバ湖

ただ、わずかにアラビカ種が生き残ったのがスマトラ島北部の高地でした。同地に住むマンデリン族が中心となって栽培した豆が『マンデリン』です。

今回ご案内の『マンデリン リントン』はスマトラ島北部のリントン・ニ・フタ地区で栽培されたスペシャルティ豆です。ちなみに『マンデリン トバコ』は島にある一番大きな湖、“トバ湖”の周辺で栽培されたスペシャルティ豆です。また定番の『マンデリン』はスマトラ島北部のアチェ州全域で栽培された豆のなかでグーレードがNo.1の豆です。

ルーツは同じでも、その味わいの違いはなかなか興味深いものがあります。是非、この機会に飲み比べをしてみてください!