ドイパンコン ~ タイからのハニープロセス~

ドイ・パンコンはタイ北部チェンライの山岳地帯に位置するコーヒー生産地で、タイのなかでも最も有名な産地のひとつです。この地域は、アカ族やムーサールマン族といった少数民族が暮らす場所で、彼らは昔からコーヒー栽培をおこなってきました。

少数民族の彼らは、伝統的な焙煎方法をしています。それは、コーヒー豆を土器の鍋に入れ、直火で焙煎する方法。スモーキーな味わい深いコーヒーを飲む習慣があったようです。そんな文化的にも豊かなこの産地の豆は、フルーティな香りと、鮮やかな酸、甘味が特徴です。

今回、ハニープロセス(精製)で仕上げた『ドイパンコン』のハチミツのような甘み(?!)を引き立たせたいと、浅煎りで仕上げました。

ハニープロセスはコーヒーチェリーを生豆に仕上げる時の精製方法のひとつで、ザックリご説明すると、チェリーを洗って外皮や果肉を除去する「ウオッシュ」と、チェリーをそのまま乾かす「ナチュラル」の中間のような精製方法です。

個人的には「ウオッシュ」は飲み疲れしないキレイな珈琲、「ナチュラル」は個性的な派手な珈琲、「ハニー」は両方の良いとこどり?といった感じでしょうか。

今回ご案内の豆は少数民族アカ族の5人兄弟が10年前に立ち上げた農園からです。6年前に水洗加工場を建設し、昨年は気候変動による気温上昇を防ごうと、農園にシェイドツリーを植林する活動を行ったそうです。また近年の予測不可能な降雨に対応するため新たに灌漑設備の導入も計画しているとか。コーヒーの未来を支える頼もしい5人兄弟の豆を味わってみてください。